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誰でもアニメ化は

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第二章

 ある主要キャラの声を聴いてだ、俊平は一家で夕食を食べている時に言った。
「ちょっと合わないか」
「そうなの?」
「そんな気がするな」 
 妻に首を傾げさせつつ言った。
「どうもな」
「そうなの」
「俺の気のせいかも知れないけれどな」
 こう言うのだった。
「どうもな」
「そうなのね」
「ああ、そのことがな」
「気になるのね」
「ベテランで演技に定評のある人だけれどな」
 それでもというのだ。
「最初キャスティングみていいと思ったけれどな」
「実際聴いてみたらなの」
「俺のイメージとな」
 原作者の自分のというのだ。
「その人の演技がな」
「違うの」
「ああ、どうもな」
「じゃあスタッフの人に言う?」
 妻は首を傾げさせる夫にこう提案した。
「そうする?」
「いや、そこまではな」
「しないの」
「別に下手じゃないしな」
 その声優の演技はというのだ。
「むしろ上手いってな」
「あなたは思うのね」
「それに俺だけのイメージだからな」
「いいのね」
「ああ、別にな」
「ううん、何かね」
 息子がそんなことを言った父に言ってきた。
「お父さんそんなこと言っても」
「それでもか?」
「アニメ化決まってからね」
 自分の作品がというのだ。
「ずっと機嫌いいけれど」
「当たり前だろ」
 それはとだ、父は息子に即答した。
「もうそれはな」
「当たり前なんだ」
「誰だってな」
 それこそというのだ。
「自分の漫画や小説になったらな」
「嬉しいんだね」
「お前も漫画家や小説家になればわかるさ」
 まだ小学生の息子に穏やかな声で話した。
「本当に誰だってな」
「自分の作品がアニメになったら」
「こんないいことはないんだよ」
「幸せなんだ」
「それだけでな、まあ中には何もかもぶち壊したな」
 そうしたというのだ。 
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