X ーthe another storyー
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第三十四話 外宴その十二
「立派よ。その右目の分ね」
「皆さんはですか」
「貴方が危機に陥れば」
その時はというのだ。
「駆け付けるわ」
「そうして助けてくれますか」
「必ずね。死なせはしないわ」
絶対にというのだ。
「だからね」
「安心してですね」
「戦ってね」
「そうさせてもらいます。不思議な気持ちですね」
星史郎はここでだった。
焼いた牛肉を食べた、そのうえで言った。
「こうして皆さんに褒めてもらえて是非にと言われるとは」
「不思議なの」
「はい、前にもそうだった時がありましたが」
颯姫に『その時』のことを思い出しつつ答えた。
「今もそうなるとは思わなかったので」
「二度とないと思っていたの」
「そうでした、そしてその中にいて」
そうしてというのだ。
「悪いものは感じないので」
「だからなの」
「とてもです」
「不思議なのね」
「そう感じています」
「そうなのね」
「悪いものではないですね」
颯姫の皿に肉を入れながら話した。
「まことに」
「そうなのね。そう言われると」
颯姫も星史郎の皿にお返しと肉を入れながら言った。
「私もよ」
「悪いとはですね」
「思わないわ。こうして皆といても」
「いいですね」
「ええ」
そう思うとだ、仲間達特に遊人を見て答えた。
「そう感じるわ」
「同じですね、ずっとこうしていたいですね」
星史郎はこうも言った。
「出来れば」
「そうね。それが無理でも」
庚は星史郎のその言葉に赤ワインを飲んでから答えた。
「楽しい時はずっとね」
「続いて欲しいですね」
「皆でいてね」
「そうですね」
「そして」
さらに言った。
「戦いが終わっても」
「ずっとですね」
「いたいわね」
「確かに。適いませんが」
それでもというのだった。
「出来ることなら」
「適わない、ね」
庚はその言葉に動きを止めた、それから行った。
「そう言うのね」
「駄目でしょうか」
「許さないと言っておくわ」
真面目な顔で言うのだった。
「それはね」
「そうですか」
「絶対にね」
何があってもというのだ。
「私達は誰もよ」
「死んではならないですか」
「貴方でもね」
「それでは」
「ええ、誰と戦ってもね」
「僕も生きないと駄目ですね」
「そうよ、そしてね」
そのうえでというのだ。
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