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X ーthe another storyー

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第三十三話 初戦その十七

「それだけでな」
「全く違いますよね」
「お前さんも甘いもの好きだよな」
「大好きです」
「俺もだよ」
 草薙自身もというのだ。
「本当にな」
「甘いものがお好きで」
「それでな」
「バーベキューの時もですね」
「甘いものもな」
 バーベキューの食材だけでなくというのだ。
「沢山持って行こうな」
「そうしましょう」
「楽しいパーティーになりそうですね」
 星史郎はまた微笑んで言った。
「これはまた」
「そうね、貴方もそう思うわね」
「はい、ただ牙暁さんは」
「彼は残念だけれどね」
 庚は彼のことは寂しそうに話した。
「ずっと眠ったままだから」
「行けないですね」
「そうよ、ただ皆が楽しくしていたら」
 そうであるならというのだ。
「その笑顔を夢の中で見てね」
「楽しんでくれますね」
「そうしてくれるわ」
 牙暁はというのだ。
「だからね」
「僕達はですね」
「皆で楽しめばいいわ」
 こう言うのだった。
「是非ね」
「ではそうさせて頂きます」
「是非ね、ただ何時か」
 庚は遠い目になってこうも言った。
「彼も目覚めて欲しいわね」
「そうしてですね」
「私達と一緒にね」
「色々実際にですね」
「楽しんでくれたら」
 それが出来ればというのだ。
「いいわね」
「そうですね、幾ら夢で楽しんでくれても」
「何時かはね」
「実際にですね」
「一緒に楽しみたいわ」
 こう言うのだった。
「やっぱりね」
「そうですね」
「場所は何処がいいかしら」
 庚はそちらのことも話した。
「それで」
「公園がいいですね」
 星史郎が言ってきた。
「それなら」
「公園ね」
「東京の手頃の」
 そうしたというのだ。
「そうしたことが出来る場所で」
「そうした場所は東京には」 
 封真はどうかという顔で言ってきた。
「あまりない様な」
「あるわよ」
 だが庚はその封真に話した。
「東京にもね」
「ありますか」
「この街は狭い様で広くてね」
 そうしてというのだ。
「中にはね」
「バーベキューが出来る公園もありますか」
「結構ね」
「そうですか」
「そのうちの何処かでね」
「楽しみますか」
「そうしましょう、皆で飲んで食べて」 
 そうしてというのだ。
「そのうえでね
「楽しむことですね」
「そうしましょう、ただ」
 ここまで話してだ、庚は。
 面白そうに笑ってだ、こうも言った。
「そこで天の龍に会っても」
「神威達にですか」
「戦いはね」
 これはというのだ。
「しないでおきましょう」
「そうですね。彼等が仕掛けて来ない限りはです」 
 星史郎も笑って応えた。
「僕達としては」
「戦わないでね」
「楽しめばいいですね」
「その時はね」
「戦う時に戦うということですね」
「そうした時以外はね」
 これといってというのだ。
「戦うことはないわね」
「はい」
 星史郎はその通りだと答えた。
「まさに」
「だからよ」
「彼等と会っても」
「あちらが仕掛けて来ないならね」
 バーベキューをしてもというのだ。
「そうしましょう」
「それでは」 
 星史郎は笑顔で応えた、そうしてだった。
 地の龍の者達も外での宴を開きそれを楽しむことになった。戦いの中でそれぞれの戦士達はお互いの親睦も深めていっていた。


第三十三話   完


                   2023・6・23 
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