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夢幻水滸伝

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第三百十二話 全軍を用いての決戦その十五

「育成とか設備のこととか忘れてな」
「作戦も」
「親会社が弱まって悪事も天下に広まって」
「人気も落ちて」
「あの通りや」
「二十年連続勝率一割台で」
 言うまでもなく最下位であり続けている。
「ファンはもう限られたカルト的な手合いしかおらへん様な」
「無様で情けなくて恥ずかしくて卑しくてみっともなくて恰好悪いな」
「そんなチームですね」
「それが今の巨人や」
「そうですね」
「そんな巨人にはな」
「大谷さんが入る筈ないですよ」
 エミリーも言った。
「どう考えても」
「過去の栄光にしがみついてるだけやしな」
「過去より今そして未来ですね」
「そや、大谷さんは今と未来に生きてる人や」
 そうして活躍している人だというのだ。
「そやからな」
「巨人にはそぐわないですね」
「あんなしょうもない球団にはな」
 到底というのだ。
「大谷さんは雄飛を続ける人でな」
「未来に向かって」
「そして巨人は過去の栄光にしがみついたままや」
「落ちていくだけですね」
「全然ちゃう」
 大谷翔平と巨人はというのだ。
「そんなもん入るか」
「その筈がないですね」
「それでや」
「大谷さんはもう巨人を超越してるので」
「入る筈がない、あの人はメジャーやWBCで活躍していく」
 これからもというのだ。
「そして伝説を創り続けるんや」
「そうなりますね」
「何が巨人の星や侍ジャイアンツやちかいの魔球や黒い秘密兵器や」
 全て昭和の巨人を舞台にした魔球漫画である、読むとそれだけで知能と精神が崩壊してしまう恐るべき魔書でもある。
「巨人なんか褒められるか」
「そんな要素全くあらへんですね」
「ええとこなんて一つもないのが巨人や」
 メルヴィルはこの事実を指摘した。
「見るとこあらへん」
「反面教師としてはありますが」
「正しく評価出来るところはない」
「そういうことですね」
「最高の反面教師やがな」
「そうなりますね」
「巨人はな、まあ大谷さんはメッツに入ってもらって」
 メルヴィルはこの考えは変えなかった。
「それでや」
「はい、私達のことをですね」
「聞きたいけどな」
「お話させてもらいます」
 ルイスだけでなくルイーザとギンズバーグも言ってきた、そうしてだった。
 三人はこれまでのことを話した、アメリカ東部は統一されその祝いの場でそうしていくのであった。


第三百十二話   完


                   2023・7・1 
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