Ｘ　ーｔｈｅ　ａｎｏｔｈｅｒ　ｓｔｏｒｙー

「まことにです」
「避けられますね」
「そうした方です」
「まして玳透君は」
　また彼自身のことを話した。
「丁様の護衛役で」
「若し僕に何かあれば」
「ご英訳がいなくなります」
「危険ですね」
「そうなれば僕達が心配します」
　丁をというのだ。
「そうなります、そうなれば」
「丁様は人に心配をかけることもお嫌いなので」
「余計にです」
「おかしいですね」
「はい、今思いますと」
　征一狼は真剣な顔で述べた。
「どうも」
「そうですね。何かあるのでしょうか」
「さて。人の行動は常に一定ではありません」
「変わることもありますね」
「時として。思考もです」
　これもというのだ。
「やはりです」
「時と場合によってですね」
「変わります」
　そうなるというのだ。
「誰でも」
「それじゃあ」
「そちらでしょうか」
　考えつつの言葉だった。
「これは」
「だとしますと」
「別に気にすることはないですが。ですが」
「今後はですか」
「そうしたことはです」
「ない様にですね」
「していきましょう」
　こう言うのだった。
「僕達もお話をして」
「地の龍と戦う事態はですね」
「その可能性があれば」
　それならというのだ。
「僕達がです」
「戦われますね」
「そうします、地の龍の前に出るのは」
「そうですか」
「玳透君は常にです」
「この議事堂で」
「いらして下さい」
　こう言うのだった。
「必ず」
「そして丁様の警護ですね」
「そのお務めを果たして下さい」
「そうさせて頂きます」
「何があってもです」
　まさにというのだ。
「そのことを」
「はい、そうします」
「あとです」
　征一狼はさらに話した。
「僕の煎れたお茶ですが」
「こちらのことですか」
「どうでしょうか」
　このことを聞くのだった。
「この度は」
「いいと思います」
　微笑んでの返事だった。
「とても」
「そうですか」
「結構なです」
「お点前ですか」
「はい」　
　まさにというのだ。
「そう思います」
「それならいいですが」
「お茶も」
　茶道のそれもというのだ。