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夢幻水滸伝

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第三百十二話 全軍を用いての決戦その五

「ここは」
「敢えてですか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「敵を攻めさせてな」
「そこで、ですね」
「こっちはな」
「その攻撃を潰して」
「敵の最後の一手をそうするんや」
「そうなれば」
 ボームはメルヴィルの話をここまで聞いて言った。
「もうです」
「戦は決まりやな」
「ワテクシ達の勝利で」
「そうするんや、このまま攻めても勝てる」
 メルヴィルは戦局を見据えて言い切った、見れば戦局は彼等に圧倒的有利で二十万の敵軍を囲む様にして攻撃を浴びせている。
「しかしな」
「それでは時間がかかりますか」
「そうなれば本当にや」
「こちらに隙が出来るかもせえへんですね」
「戦局は常に移り変わるもんや」
 このこともだ、メルヴィルは言った。
「そこで相手に戦局が傾くこともある」
「何かしらの要因で」
「イレギュラーなことでな、そやからな」
「そうした事態が起こる前にですね」
「こっちからな」
 是非にというのだ。
「戦局を決める為にや」
「敢えてですね」
「隙を作るか」
「そうしますか」
「丁度攻勢が続いてな」
「整備と補給の必要が出ていますね」
「すぐにそうさせて食事もや」 
 将兵達のそれもというのだ。
「携帯食でもや」
「摂らせますか」
「それで一瞬でもや」
「敢えて隙を作りますか」
「ああ、戦いつつ交代で飯を食ってな」
 そうしてというのだ。
「整備と補給もや」
「受けさせますか」
「それで空と湖からの攻撃をわざとな」
 無論故意であることは悟らせない様にしてというのだ。
「乱すんや」
「これまでとは違って」
「そうしてや」
「こっちに隙が出来た」
「そうさせる、ちょっとの隙でもな」 
 それでもというのだ。
「ルイス達は気付く」
「ワテクシ達と同じ星の人達だけあって」
「並のレベルのモンで気付かんことでもや」
「星の人達ならですね」
「気付く、そして動かさせて」
 即ち攻勢に転じさせてというのだ。
「そしてや」
「そこで逆にですね」
「その攻勢を潰す」
「そうしてですね」
「勝つで、ええな」
「それでは」
「当初の予定通り進める戦もあればな」
 それ以外にもとだ、メルヴィルは今も戦局を見つつ話した。
「臨機応変にや」
「変えていく戦もありますね」
「それが今でや」
 それでというのだ。
「そうしよな」
「それでは」
「溺れる者は藁も掴む」
 メルヴィルは冷静な声で言った。 
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