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X ーthe another storyー

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第三十二話 死神その九

「私も仕掛けていたしね」
「そうだったね、君も」
「星ちゃんに殺された時」
 北斗はその時のことも牙暁に話した。
「私術かけたから」
「そうしたね」
「その術は今も生きているから」
 だからだというのだ。
「きっとね」
「悪いことにはならないんだね」
「星ちゃんの本心もあるし」
「そうなんだ」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「絶対だよ」
「あの人についても」
「悪いことにはね」
 それはというのだ。
「ならないよ」
「そうなんだね」
「うん、だからね」
「希望を持つことだね」
「それに気付いてるよね、星ちゃん優しいよ」
 北斗は牙暁に彼のこのことも話した。
「とてもね」
「うん、人の痛みがわからないと言っても」
「違うね」
 それはというのだ。
「確かにね」
「そうだよね」
「それは夢の中で話していても」
「わかるよね」
「うん、それじゃあ」
「きっとね、星ちゃん昴流ちゃんの望むことはね」
 それはとだ、北斗は話した。
「しないよ」
「そうだね」
「何があってもね」
「僕もそう思えて来たよ」
「そうなるから」
 それでというのだ。
「私昴流ちゃんのことは安心しているの」
「じゃあ彼のことは」
「星ちゃんがそのつもりなら」
 寂しく笑って一呼吸置いてだった、北斗は牙暁に話した。
「もうね」
「避けられないんだね」
「星ちゃんのことは。全部が皆が救われることはね」
「やっぱりないね」
「うん、ただ出来る限り沢山の人が救われる様には」
 それにはというのだ。
「なれるからね」
「だからだね」
「少しでも多くの人をね」
「救うことだね」
「そうしていくことだね」
「是非ね」
 まさにというのだ。
「そうなる様にしていこう」
「僕達は」
「これから戦いも本格的にはじまるけれど」
 それでもというのだ。
「その中で一人でも多くだね」
「助かる様にね」
「していくことだね」
「うん、ただ牙暁ちゃん少しずつね」
 北斗はここで彼の顔を見て話した。
「明るくなってきてるよ」
「そうかな」
「うん、少しずつね」
 こう言うのだった。 
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