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ドリトル先生の落語

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第一幕その十

「お笑いがあってもね」
「そうだよ、笑いは悪いことじゃないんだ」
 先生は断言しました。
「むしろね」
「笑うなと言うとか」
「それはだね」
「かえってよくないね」
「そうだね」
「本当に健康にいいしね」
 笑うことはというのです。
「それにだよ」
「笑う門に福来る」
「そうも言うしね」
「まず笑う」
「それがいいね」
「何でも貧乏神はね」
 先生は日本のこの妖怪のお話もしました。
「悪口を言っているお家に入るらしいよ」
「へえ、そうなんだ」
「貧乏神ってそうなの」
「悪口を言っているお家に入るんだ」
「そうなんだ」
「人やものごと、何でもね」
 それこそというのです。
「悪口を言っていると」
「そのお家にはいる」
「それで貧乏にするんだ」
「そうなんだね」
「いや、貧乏になるのは」 
 貧乏神の名前となっているそれはといいますと。
「貧乏神が直接かっていうと」
「違うの?」
「そうなんだ」
「そうじゃないんだ」
「貧乏神は人の悪口を食べて生きる妖怪なんだ」
 そうだというのです。
「だから特に夜にそうしたお家にね」
「入って」
「それで悪口を食べて栄養にする」
「そうするんだ」
「それで太っていくんだ、けれど悪口ばかり言う人ってどうかな」
 先生は実際にそうしたお顔になって皆に尋ねました。
「傍にいたら」
「いい気持ちしないね」
「やっぱりいいお話聞きたいから」
「悪口ばかり言う人なんてね」
「傍にいて欲しくないよ」
「そうだね、だからね」
 それでというのです。
「悪口ばかり言う人は嫌われて相手にされなくなるね」
「そうなるよ」
「そんな人本当に傍にいて欲しくないから」
「離れるよ」
「自然と誰もね」
「そうなってお仕事もね」
 これもというのです。
「なくなるからね」
「嫌われて」
「同じ職場の人達にも」
「そうなって」
「それでね」
 そのうえでというのです。
「貧乏になるからね」
「ううん、それだとね」
「貧乏神が来なくてもそうした人って貧乏になるね」
「必然的に」
「そうなるわ」
「僕もそう思うよ」
 実際にというのです。
「貧乏神が悪いんじゃなくてね」
「悪口ばかり言う様だと」
「そんな人は嫌われて」
「お仕事もなくなるから」
「貧乏になるんだね」
「同じ仕事をこなす人でも」 
 それでもというのです。 
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