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オズのカリフ王

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第一幕その二

「空を飛ぶ乗りものを貸して下さるぞ」
「そうなのか」
「確かにノームの国は以前都に攻め込もうとした」
「前のラゲドー王がね」
「それで気兼ねしているかも知れないが」 
 それでもというのです。
「オズの国は遠慮は無用だな」
「そう、それが決まりだよ」
 まさにとです、カリフ王も答えました。
「この国のな」
「それならだ」
「オズマ姫にお願いしてか」
「乗りものをお借りして」
「歴訪をすべきか」
「わし等もそうしているしな」
 ドワーフ王は笑ってお話しました。
「空に行く時はな」
「ドワーフの国も地下にあるしな」
「お前さん達と同じくな」
「ノームとドワーフは近い」
「左様、兄弟の様にな」
「色々似ている部分も多いしな」
「それで空とは基本無縁だ」
 地中にいるとです。
「そこで空に行く時はな」
「オズマ姫にお願いしてか」
「空の乗りものをお借りしてな」
「そのうえでだな」
「行くぞ」
「それでわしもか」
「そうしたらどうか、少なくとも今ノームの国と都の仲は悪くないだろう」
 ドワーフ王はこうも言いました。
「そうであるな」
「悪い筈がない」
 これがカリフ王の返事でした。
「今のオズの国は誰もがだ」
「仲がいいな」
「だからノームの国も空の国々とだ」
「仲良くしていてな」
「そしてだ」
 そのうえでというのです。
「都ともな」
「オズの国全体を治めるな」
「その国ともな」
「仲良くしているな」
「あまり付き合いはないが」
「仲はいいな」
「今はな」
「それならだ」
 尚更というのです。
「ここはだ」
「オズマ姫にか」
「お願いするのだ」
「そうすればいいか」
「そうだ、いやしかしな」
 ドワーフ王は笑ってこうも言いました。
「我等が空に行くなぞな」
「時代は変わったな」
「そうだな、昔はな」
「わし等が空に行くなぞな」
「想像もしなかった」
「地中にいるとな」
 それならというのです。
「もうな」
「そうだ、ずっと地中にいてな」
「地上に出ることすらだ」
 それこそというのです。
「なかった」
「そうだったな」
「それがだ」
「今は地上どころかな」
「空にも行ける」
「まことに世の中は変わった」
「本当にそうだな」
 こうしたお話をしました、そしてです。 
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