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X ーthe another storyー

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第三十話 勇気その十七

「一緒にいても」
「礼儀正しくて穏やかで」
「冷たい感じもしないです」
「温かくもないけれど」
「逆に冷たくもなくて」
「拒む様でも受け入れる様でもないですね」
「そうした人よ」
 こう天の龍の三人に話した。
「あの人はね」
「僕達から見ますと」
「そうなんやな、しかしな」
 そこまで聞いてだ、空汰は言った。
「自分等を墓参り一緒にっていうのはな」
「受け入れてくれてますね」
「そやろ、それまでは受け入れるでも拒むでもなくてもな」
「今はですね」
「自分等を受け入れてるわ」
 こう言うのだった。
「そう思ってええわ」
「そうなんですね」
「そしてな」
「そして?」
「いや、わい等もな」
 空汰は考える顔になってこう言った。
「星史郎さんと会ってみたくなったわ」
「そうなんですか」
「ああ、どんな人か興味出来たからな」
 だからだというのだ。
「それでな」
「そうなんですね」
「一回こっちに仕掛けてきたしな」 
 このことも話した。
「最初は聞いてた通りのな」
「悪い人となのね」
「思ってたわ」
 颯姫に話した。
「ほんまな」
「そうだったのね」
「それがな」 
 実はというのだ。
「どうもな」
「わかってきたのね」
「悪い人やないってな、そやからな」
「会ってみたいのね」
「ああ、昴流さんとは何かとあったみたいやけどな」
「それなら一度聞いてみたらどうかしら」
 颯姫は空汰に目を向けて彼に提案した。
「一度」
「ご本人にか」
「そうしたらね」 
 自分の食事を食べつつさらに話した。
「聞けるかも知れないわ」
「そうね、ただ」
 嵐は颯姫の話を聞いたうえで述べた。
「若し昴流さんの心の傷になっているのなら」
「ああ、随分なことがあったかも知れんしな」
 空汰は嵐の言葉にも頷いた。
「それならな」
「あまり深く聞くことはね」
「禁物やな」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「それはね」
「やっぱりそやな」
「あくまで昴流さんがお話してくれるなら」
「聞かせてもらうことやな」
「そうあるべきよ」
「そうですね」
 護刃は二人の会話に頷いた。
「昴流さんがお話してくれるなら」
「聞かせてもらいましょう」
「それがええな」
「僕もそれがいいと思います」
 哪吒も言ってきた。 
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