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X ーthe another storyー

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第三十話 勇気その四

「天の龍の誰もだ」
「死なせないわね」
「そうする、世界も守ってな」
「神威ちゃんは守る為に戦うのね」
「そうだな、何の為に戦うかというとな」
 そう問われればとだ、神威も否定しなかった。
「俺の場合はな」
「守る為ね」
「小鳥も封真も仲間も」
「そして世界も」
「その為だ、守る為の戦いもあるな」
「そうよね」
「俺の戦いはそちらだ」
 自分の戦いをそうだとだ、小鳥に答えた。
「まさにな」
「そうよね」
「だからだ」
 それでというのだ。
「俺は戦う」
「それならね」
 小鳥は神威のこれまでの言葉と決意を聞いて言った。
「私は戦えないけれど」
「それでもだな」
「神威ちゃんを支えるね」
 こう言うのだった。
「そうするわね」
「そうしてくれるか」
「ええ」 
 微笑んで答えたのだった。
「そうするわ」
「そうか」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「神威ちゃんの傍にいるから」
「いつもか」
「うん、私の出来ることをするけれど」
「それはか」
「神威ちゃんを支えることだと思うから」
「俺の傍にいてくれるか」
「そしてお兄ちゃんの留守もね」 
 それもというのだ。
「守るから」
「あの家をか」
「私も私の出来ることをして」
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「この戦いの中にいるんだな」
「そうするわ。私は死ぬ運命だったけれど」
 それがというのだ。
「助かったし。それならね」
「戦いと戦っているからか」
「だからね」
 その為にというのだ。
「そうするわ」
「わかった、それならな」
 小鳥のその言葉を受けて言った。
「俺は絶対に死なない、いや」
「いや?」
「死ねないな」
「死なないんじゃなくて」
「ああ、小鳥とずっと一緒にいたいしな」 
 こうも考えてというのだ。
「だからな」
「神威ちゃんは死ねないのね」
「ああ、そしてな」
 小鳥に微笑んでさらに話した。
「あの木を皆で見ないな」
「私達が子供の頃登ったあの木ね」
「覚えているな」
「忘れる筈がないわ」
 小鳥は神威ににこりと笑って答えた。 
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