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博士の挑戦状

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第六十五話

                 第六十五話  最初は引き分け
 隕石達が破壊されてだった。
 今田先生も今日子先生も思わず唸った、そして二人で言った。
「隕石を破壊されたら」
「今の私達はね」
「ちょっとね」
「手がないわ」
「まだ魔法は使えるけれど」
「どうにもね」
「ううむ、わしもじゃ」 
 博士も困った顔で言った。
「手がなくなってしまった」
「あら、博士もなの」
「そうなのね」
「車椅子の武器がなくなった、常温核融合なのでエネルギーは無尽蔵でじゃ」
 しかしというのだった。
「ビームしか放てぬ、それではな」
「私達を攻めるにはなのね」
「手がないのね」
「これでは仕方ない」
 こう言うのだった。
「お互いに打つ手がないのではな」
「ええ、ここはね」
「引き分けね」
「そうなるのう、それではな」
 博士は先生達にさらに言った。
「これで終わろう」
「わかったわ、それでは」
「これでね」
「戦いを終えよう」
「次は私ね。けれどね」
 カーミラ安楽椅子に座って悠然とワインを飲んでいた、そのうえで自身の使い魔達に囲まれていたがこう言った。
「博士の準備が整うまでね」
「待っていてくれるか」
「夜は長いわ」
 余裕を以て述べた。
「ゆっくりとね」
「悪いのう」
「謝る必要はないわ、ではね」
「うむ、今から補給を行わせてもらう」
「その間どうかしら」
 カーミラは博士に自分が飲んでいるワイングラスを見せて話した。
「飲む?」
「いや、勝負の後でじゃ」
「飲むのね」
「そうする、ではな」
「まずはね」
「車椅子の整備と補給にあたろう」
 勝負が終わってこう言った、そしてだった。
 博士は実際に勝負の後で車椅子をカイザージョーに戻した、そのうえでその中で機械によって整備と補給を行わせたのだった。


第六十五話   完


                   2023・5・28 
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