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X ーthe another storyー

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第二十九話 家族その十四

「私も」
「考えていることもあるし」
「颯姫さんが」
「そのことを言うかも知れないわ」
「そうですか」
「けれど今はね」
「はい、こうしてですね」
「お話をしたわ、また機会があれば」
「こうしてですか」
「お話しましょう」
「宜しくお願いします」
 護刃は笑顔に戻って応えた。
「その時は」
「お互いね。これが人間なら」
 今感じているものを心の中で確かめつつだ、護刃に話した。
「悪くないわ。温かいわ」
「人間はですか」
「害にしかならない罪ある存在と思っていたし今もそう考えているけれど」
 それでもというのだ。
「いいともね」
「思われていますか」
「今はね。そうしたことも考えながら」
「地の龍の皆さんとですね」
「過ごしていくわ」
「そうですか」
「ではね、そろそろ時間だし」
 ここでこうも言った。
「もう終わりね」
「授業はじまりますね」
「だからね」
 それでというのだ。
「今日はこれで」
「はい、またお会いしましょう」
「そうしましょう」
 こう話してだった。
 颯姫は護刃と別れ自分のクラスに入った、そしてクラスメイト達がお菓子の話をしているとある店を紹介した、前に仲間達と行った店だ。
「あそこ美味しいわ」
「ああ、あそこね」
「あそこ評判いいわね」
「雑誌でもネットでもね」
「随分とね」
「評判いいわね」
「ええ、だからね」
 自分に応えたクラスメイト達にさらに話した。
「皆で行ってきたらどうかしら」
「そうね、いいわね」
「八頭司さんが言うなら」
「それなら間違いないし」
「今度行って来るわね」
「そうしてくるわね」
「ケーキも紅茶も美味しくて」 
 颯姫はさらに話した。
「内装もお店の雰囲気もいいわ」
「うわ、本当に凄そうね」
「雑誌にもそう書いてるけれど」
「写真も素敵そうだし」
「それじゃあね」
「これは行くべきね」
「絶対にね」
 クラスメイト達に口々に言った、そのうえで颯姫にあらためて言った。
「じゃあ今度皆で行きましょう」
「よかったら八頭司さんも来て」
「そうして色々アドバイスして」
「行ってきたならね」
「それならね」
「私が行っていいの」
 ここで無表情で応えた。 
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