夢幻水滸伝
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第三百八話 ケンタッキー州占領その十五
「今話した通りにな」
「その通りですね」
「しかし人のやることで無敵のことはない」
にやりとだ、メルヴィルは声で笑って話した。
「例えそれがゲリラ戦術でもな」
「無敵やないですか」
「例えば民衆に紛れ込んでのゲリラ戦術やとな」
この場合はというと。
「出来る限り基地におったり大人数で完全武装して警戒して進んだりな」
「そうしてですか」
「対処して民の支持を掴む」
「敵地であっても」
「色々やってな、そして民に手を出さん様にや」
「しますか」
「イタリア軍やとな」
彼等の話も出した。
「敵地の民衆にそういう情報教えてくれたらものあげてな」
「そうしてですか」
「情報を得てな」
「ゲリラにも対処していましたか」
「ドイツ軍はもう厳しい対処だけやったが」
容赦ない征伐そして占領地の民衆にも断固たる態度で挑んだのだ、これはドイツ軍らしいと言えばらしいと言えるだろうか。
「しかしな」
「イタリア軍はそうして」
「対処してた、実際イタリア軍はあまりな」
「ゲリラにはですか」
「悩まされてへんかったみたいや」
ドイツ軍程はだ。
「まあチトーパルチザンに捕まってもな」
「ああ、捕虜になってですね」
「ドイツ軍はめっちゃ反抗的でふてぶてしくてな」
捕虜になってもだ。
「パルチザンも怒って残虐になったが」
「それに対するイタリア軍は」
「ちょっと小突いたら必死に泣いて命乞いしてな」
知っていることを何でも話すので殺さないで欲しいというのが捕虜になったイタリア軍の将兵達の言う定番だったという。
「パルチザンも可哀想になってな」
「手荒なことはしなかったのですか」
「最初攻め込んだのはこっちやけどな」
イタリア側だというのだ。
「それがな」
「イタリア軍にはそうでしたか」
「それで助かってたしな」
「それもゲリラへの対処ですか」
「捕虜になっても殺されんことがな」
まさにこのことがというのだ。
「大事や」
「そうですか」
「それで今回やってくると思われるゲリラ戦術にもな」
「対策を立てられますか」
「そや、民衆に情報提供してもらうことも出来るが」
イタリア軍が行ったやり方でというのだ。
「ちょっと今回はな」
「別のやり方で、ですか」
「やろか、首がないとどんな生きものも動かん」
ボームに笑って話した。
「そういうことや」
「首、そういうことですか」
「蛸や烏賊がどれだけ触手を動かしてもな」
「頭をどうにかするとですね」
「それで終わりやな」
「確かに」
ボームもそうすると、と頷いた。
「そうですね」
「まあ日本人はどっちもあっという間に食べるが」
「大阪やと速攻たこ焼きいか焼きにして」
「触手が動く前にそうしてまうが」
「その日本人の様にですね」
「ここはな」
まさにというのだ。
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