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X ーthe another storyー

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第二十八話 交錯その十五

「いや、このお酒も」
「美味しいでしょ」
「関東はお水がよくないので」
「ええ、お酒もね」
「どうにもですが」
「それでいいお酒はあってね」
「そのお酒をですか」
 庚に飲みながら尋ねた。
「用意してくれましたか」
「そうなのよ」
 庚も飲みつつ答えた。
「今夜はね」
「それは嬉しいですね」
「皆で飲んで食べて」
「楽しんで」
「楽しい時間を過ごしましょう」
「それでは」
 遊人は笑顔で応えた。
「そうさせて頂きます」
「それではね」
「日本酒もいいわね」
 颯姫も酒の話に乗った。
「それじゃあ一緒に」
「皆さんで飲みましょう」
「遊人さんとも」
「そうです、こうして一緒に飲んで」
「親睦を深めていくのね」
「そうしましょう」
「温かいわ」
 颯姫はここでだった。
 ほんの少しだが微笑んでだ、こう言った。
「この雰囲気」
「温かいですか」
「ええ、何かね」
「そう感じるのはいいことです。よかったらご自宅でも」
「私の」
「ご両親とです」
 彼等と、というのだ。
「お話されて」
「こうして一緒に食べて」
「楽しい時間を過ごされても」
 そうしてもというのだ。
「いいと思います」
「そうなのね」
「はい、それでは」
「一度そうしてみるわ」
「よかったら僕達も行きまして」
 そしてというのだ。
「ご家族とぎ一緒に」
「いてくれるの」
「どうでしょうか」
「考えさせて。じゃあ今度お家で」
「ご家族とですね」
「お話するわ、そして」
 そのうえでというのだ。
「一緒にね」
「この様にして過ごされますね」
「そうしてみるわ」
 ここで盃を出してもらいそこに自分から酒を入れてだった。
 颯姫は飲んだ、それは他の面々も同じで共に酒を飲みつつそのうえで遊人に対してさらに言うのだった。
「これから」
「それでは」
「ええ、人間を滅ぼすにしても」
「悪い感じはしないですね」
「そうなるから」
 だからだというのだった。
「そうしてみるわ」
「それでは」 
 こうした話をしてだった。
 颯姫は今は地の龍達と共にすき焼きを食べ酒を飲んでいった、そしてそれぞれの家族のことも聞いて自分のそちらのことも考えるのだった。


第二十八話   完


                     2023・5・15 
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