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X ーthe another storyー

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第二十七話 集結その十四

「悪い印象はです」
「ないかしら」
「そして悪い人ともです」
「思わないのね」
「はい」 
 そうだというのだ。
「僕としては」
「そう言ってくれると有り難いわ、けれど私は」
「悪い人はそんな目をしていませんよ」
 星史郎は自分の言葉を否定しようとする庚に答えた。
「僕も色々な人を見て来ましたから」
「わかるのね」
「はい、貴女も含めて」
「ここに悪人はいないのね」
「そうです、むしろそう言うならです」
 星史郎は微笑んだまま話した。
「僕こそです」
「悪人なのね」
「痛みがわからないですから」
 だからだというのだ。
「これ以上はないまでにです」
「そうでしょうか。貴方は先程目を言われましたが」 
 遊人はその星史郎に言ってきた。
「貴方の目も」
「そうした目ではないですか」
「落ち着いていて澄んでいる」
 そうしたというのだ。
「とてもです」
「悪人の目ではですか」
「思えないです」
「そうだな、あんたの目は悪人じゃない」
 草薙もこう言った。
「別にな」
「悪人の目ではなく」
「それでな」
 星史郎にさらに話した。
「今喜んでるな」
「美味しいものを食べられて」
「いや、それだけじゃないな」
 ここで哪吒も見てだ、星史郎にさらに言った。
「哪吒とな」
「僕とですか」
「同じか。ほっとしている様な」
 そうしたというのだ。
「落ち着けた様なな」
「そうした目ですか」
「あんたはな」
 こう星史郎に言うのだった。
「そう見えるけれどな」
「悪人の目ではなく」
「そう見える、まああくまで俺の見立てだけれどな」
「そういえば同じね」
 颯姫も言ってきた。
「二人の目は」
「貴女もそう言われますか」
「そう見えたから」
 だからだとだ、颯姫も星史郎に話した。
「言ったのよ」
「そうですか」
「哪吒は悪人じゃないわ」
 颯姫はこうも言った。
「むしろね」
「いい人ですね」
「そして私もね」
 今度は星史郎を見て言った。 
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