感染症は痛快か
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第二章
「昔からな」
「問題多いっていうんだな」
「ああ、何かっていうとな」
「報道で問題起こしてるよな」
「お前はそんな状況を内部から変えたいって思ってだろ」
「マスメディアが健全なのに越したことはないからな」
記者は友人にはっきりした声で答えた。
「やっぱりな」
「ああ、しかしな」
「それでもか」
「その人ベテラン記者だろ」
「うちの本社採用のな」
「それでそれか。他の人達もな」
「まあな」
否定しない返事だった。
「わかるよな」
「ああ」
友人も深刻な顔で応えた。
「お前のとこは有名だからな」
「それでこの人みたいなこと言う人もな」
「いるんだな」
「そうだよ、何処が面白くて痛快か」
「あれだろ、テロリストとか愉快犯だろ」
「自分がやったことで世の中が大騒ぎになって嬉しいか」
「そんな考えだろ、もうな」
それこそと言うのだった。
「まともな人の考えじゃな」
「ないか」
「そんな考えの人が多い場所だとな」
友人は記者に深刻な顔で答えた。
「終わりだろ」
「どうしようもないか」
「ああ」
「じゃあ辞めた方がいいか」
「自浄能力ありそうに思うか?」
「いや、俺も健全なマスメディアは必要って思ってな」
記者は悔やむ様な顔で友人に答えた。
「それで内部からな」
「改革、改善してか」
「あの新聞社の悪評を知ったうえでな」
「入ったな」
「そうだったけれどな」
「予想以上だったか」
「自浄能力なんてな」
友人が今言ったそれはというのだ。
「もうな」
「ないか」
「ああ、期待すらな」
「出来ないか」
「この人だけじゃないからな」
「そんなこと言う人はか」
「もういい記事になるとかな、あと政府の批判ならそれこそでっちあげてもな」
本来ジャーナリズムで絶対に許されない捏造記事の作成と報道もとだ、記者は友人に難しい顔で話した。
「昔からな」
「常習犯だよな」
「それで反省していなくてな」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「今もってことだな」
「機会さえあればな」
「狙ってるか」
「もう最初からな」
それこそというのだ。
「確信犯でな」
「捏造記事も出すか」
「狙ってるんだよ」
「そうか、そんなのだとな」
友人はここまで聞いて言った。
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