モデルガンは安全に
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第一章
モデルガンは安全に
大学生の笘篠晃はモデルガンを買って造って撃ってみてコレクションをすることが趣味である。一八〇位の背で体格はよく黒髪を額を開けて左右に一束ずつ垂らしてセットしてモデルガンを使ったサバイバルゲームで鍛えられた大柄な身体と小さな明るい目と太く長い眉を持っている。その彼がまた自宅でモデルガンを造ってだった。
自宅の庭で使っていたが母の美佐江丸顔で茶色の髪を短くしている小柄で優しい顔立ちの彼女が言ってきた。
「あんたまたなの」
「ああ、造ったからな」
ワルサーP三十八のそれを使いつつ母に答えた。
「試し撃ちしてみてるよ」
「そうなのね」
「うん、こうしてね」
「それはいいけれど」
母は息子に言った。
「人に向けて撃ったりね」
「そんなことはしないよ」
息子は真顔で答えた。
「モデルガンっていっても」
「拳銃よね」
「そりゃ火薬は使ってなくて」
それでというのだ。
「弾丸もおもちゃだけれど」
「威力はあるわね」
「当たったら怪我をする位にはね」
それ位はというのだ。
「あるよ」
「そうよね」
「だからね」
このことがわかっているからだというのだ。
「僕もね」
「そうしたことしないのね」
「モデルガンはルールを守って」
しっかりと、というのだ。
「そしてね」
「やるものね」
「だからだよ」
確かな声で言うのだった。
「僕だって家の庭で誰もいない時にね」
「試し撃ちしてるのね」
「練習でもね、サバイバルゲームでも」
このゲームに参加する時もというのだ。
「そのゲームのルールを守って」
「そうしてよね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「やってるよ」
「そうよね」
「だからね」
それでというのだ。
「僕はね」
「これからも」
「ちゃんとやってくよ」
「そうだといいわ、兎に角ね」
「人を傷付けないことだね」
「そのことはちゃんとしてね」
「そうしてやっていくよ」
こう答えてだった。
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