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八条学園騒動記

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第七百八話 連合の狼その一

                連合の狼
 八条学園高等部農業科の牧場八条大学農学部のそちらと共有されているそこに来てだ、上等兵はまずは牧場の傍にいる黒い犬の様な生きものを見て言った。
「犬ではないですね」
「わかるな、狼だ」
「そちらですね」
「連合では狼は怖がられていない」
「悪魔の様に思われていない」
「連合はこうして牧場を持っているが」 
 大尉もその生きもの、狼を見て話した。見れば暇な時の犬の様にくつろぎそのうえで気持ちよさそうに寝ている。
「農業も盛んでな」
「田畑も多いですね」
「この農業科でも水田があるな」
「麦の水畑も」 
 連合の水麦の話もした。
「ありますね」
「その田畑を荒らす獣を食べてくれる」
「それが狼ですね」
「牧場は守ればいい」
「自分達で」
「最初から狼が来ない様にしてだ」
 そうしてというのだ。
「その代わりにな」
「狼には田畑を荒らす獣を食べてもらう」
「そうして獣害をなくすことがだ」
「大事ですね」
「まして狼は分布が広い」
 その地域がというのだ。
「冷帯、寒帯に温帯にな」
「乾燥帯でも棲息していたりしますね」
「熱帯にもいる位だ」
 こうした狼も存在するのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「農業を行う地域にもな」
「狼はいますね」
「そしてそこにいる獣達を食べてくれるからな」
「狼は有り難い存在としてですね」
「連合では思われていてな」
 そうしてというのだ。
「時には餌付けしてだ」
「家畜にして」
「この様に牧場の番をさせる」
「そうしたケースもありますね」
「エウロパの童話では狼は常に悪役だが」
 まさにそうなっている、これは赤頭巾ちゃんや狼と七匹の子山羊この時代でも人類社会で読まれているこうした童話達からのことである。
「連合ではそうした場合もあるが」
「いい役の時もですか」
「ある、そもそも犬はな」
 この生きものはというと。
「狼を家畜にしたものだ」
「そうでしたね」
「実は狼は人はほぼ襲わない」
 童話と違ってというのだ。
「まさに犬とだ」
「そこは同じですね」
「だから家畜になってだ」
 それも人類が最初に家畜にした生きものだったという。
「犬になったのだ」
「それを見てもわかりますね」
「狼は恐ろしい生きものではない」
 エウロパではそう思われているがというのだ。
「狂暴でもなくな」
「残忍でもないですね」
「貪欲でもな、日本語ではだ」
 今自分達が話している複雑怪奇と言っている言語ではというのだ。
「狼は『おおかみ』だ」
「そう呼びますね」
「これは『大きな神』という意味だ」
「偉大な神ですか」
「日本は農業国家だったからな」
「大和民族は農耕民族でしたね」
「縄文時代は狩猟をしていたが」
 それがというのだ。 
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