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仮面ライダーカブト 明日のその先へ

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第十三章

「この数は」
「始、橘さん」
 剣崎がここで二人に声をかける。
「ここは」
「ああ」
「行くぞ」
 二人はそれに応える。そしてまたカードをラウズさせた。
「エボリューションキング」
 三人はキングフォームになる。遂に切り札を出してきた。
「あれがキングフォーム」
 加賀美はそれを聞いて声をあげる。
「何か凄いですね」
「残念だがいいことばかりじゃない」
 相川が彼に応えてきた。
「キングフォームは消耗が激しい。長くは戦えない」
「じゃあ一気に決めないと」
「そうだ。だからわかるな」
「わかった。田所さん」
 加賀美はその言葉を受けて田所に言う。
「こうなったら」
「わかっている。総攻撃だ」
 加賀美に応えた後でゼクトルーパーにも伝えた。
「いいな、一斉射撃だ」
「はい」
 ゼクトルーパー達もそれに頷く。そして実際に総攻撃に移る。
 三人のキングフォームがその圧倒的な力を見せる。確かにそれは多くのワームを倒した。だがワームの数はあまりにも多かった。流石に息切れが見え出していた。
「まだこんなにいるのか」
 風間はライダーシューティングを放った後で溜息を出した。
「多いとは思っていたがまさか」
「剣崎さん、大丈夫ですか」
 上城が剣崎に問う。
「もうそろそろ」
「いや、まだ大丈夫だ」
 そうは言っても疲れを隠せなくなっていた。キングラウザーを手に肩で息をしている。それは相川も橘も同じだった。
「だから御前は戦いに専念しろ」
「しかし」
「いや、レンゲル」
 加賀美が彼に声をかけてきた。
「剣の言う通りだ。ここは」
「ガタック、しかし」
「いや、上城睦月。仮面ライダーレンゲル」
 何処からまた声が聞こえてきた。
「加賀美の言う通りだ。ここは戦いに専念するべきだ」
「何っ」
「この声は」
 加賀美だけでなく風間や矢車達もその声に顔を上げ周りを見回した。
「まさか」
「天道、来たのか」
「お婆ちゃんが言っていた」
 それは紛れもなくあの声だった。廃墟に太陽を背にしてあの男がやってきた。悠然と、だが確実に。今戦場にゆっくりと姿を現わしてきたのだ。
「世界は俺を中心にしている。だから俺は世界を守る義務があるとな」
「あれが天道総司」
「話には聞いていたが」
「そうだ」
 剣崎と橘に対して答える。
「ボードの仮面ライダーも来ているのはわかっていた」
「何故それを知っている」
「考えればすぐにわかることだ」
 天道の姿が見えてきた。歩きながら相川にも答える。
「ワームがここまで勢力を伸ばしているならばゼクトだけ、ボードだけでは解決は難しい。それならば」
「我々が協力する。そう考えたのだな」
「その通りだ。しかし」
 田所に答える。遂に彼はゼクトルーパー達を超えてライダー達の前に姿を現わしてきた。それはまるで彼が絶対者であるかのようにだ。
「それだけでは不充分だな」
「どういうことだ、それは」
 加賀美がそれに問う。
「俺がいないからだ。だが俺が今来たことでこの戦いは決まった」
「御前の参加がか」
「そうだ。この俺」
 右手で天を指差してきた。そして語る。
 
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