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X ーthe another storyー

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第二十六話 決断その六

「もう」
「はい、クランプ学園ですね」
「そちらですね」
「私達の通っている学園でもあるしすぐに対処出来るわ」
「遊人と哪吒はそちらに向かって」  
 そのクランプ学園にというのだ。
「それで颯姫はね」
「ええ、わかっているわ」
 颯姫は庚の言葉にすぐに応えた。
「ビーストに乗って」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「遊人、哪吒と一緒にね」
「防ぐわ」
「そうしてね、多分ね」
 庚はさらに話した。
「もう一人来るわ」
「地の龍がですか」
「そうなるわ、だから四人でね」
「防ぐことですね」
「そうしてね」
 こう遊人に話した。
「貴女達は」
「それではそうさせて頂きます」
「お願いするわ、ではね」
「今から行ってきます」
「そうしてね」 
 遊人達に告げてだった。
 庚は遊人と哪吒をクランプ学園に向かわせ颯姫はビーストに乗ってもらった。その颯姫を見ていたが。
 颯姫は庚にこんなことを言ってきた。
「何かビーストが急いでいるわ」
「そうなの」
「ええ、起動が速くて」 
 そうしてというのだ。
「そのうえいつもより処理とかがね」
「速いのね」
「そんな気がするわ」
 そうだというのだ。
「どうもね」
「それはビーストも助けたいのでしょうね」
 庚はその話を聞いてこう述べた。
「それでなのよ」
「ビーストもなの」
「そう思っているのよ」
「まさか」
 庚のその言葉にだ、颯姫は目を向けて言った。
「ビーストはコンピューターだから」
「心がないというのね」
「その筈よ」
「それはどうかしら」
 颯姫に微笑んで返した。
「違うかもしれないわよ」
「コンピューターにも心があるの」
「付喪神という妖怪がいるわね」
「古いものに魂が宿る」
「もっと言えば古いものでなくてもね」
「それでビーストにもなの」
「そうかも知れないわ」
 こう言うのだった。
「だからね」
「今のビーストはなの」
「そうかも知れないわ」
「そうなのね」
「ええ、ビーストは貴女といつも一緒にいるから」
 それ故にというのだ。
「友達ともね」
「ビーストは私の友達」
「そうよ、お友達だからね」
 庚は颯姫に微笑んで話した。
「貴女と一緒に動いてくれて」
「戦ってくれるのね」
「そうなのよ」
「そんなことは考えなかったけれど」
「今も考えられないかしら」
「いえ」
 庚は一言で否定した。 
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