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X ーthe another storyー

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第二十五話 選択その十六

「君も安心して選択して」
「僕達もですね」
「神威を助けて下さい」
 玳透は征一狼にも顔を向けて話した。
「そして小鳥さんを護って下さい」
「わかりました、それではです」 
 征一狼は彼のその言葉に安心した笑顔で応えた。
「丁様のことはお願いします」
「任せて下さい」
「全て万全や、何も心配いらへん」
 空汰も言う。
「ほなな」
「ああ、決めさせてもらう」
「頼むで、それと小鳥ちゃん何が食べたい?」
 空汰は今度は小鳥に尋ねた。
「それで」
「お食事ですか」
「そや、もうちょっとしたら晩ご飯やしな」
「その時にですね」
「何が食べたいんや?」
「そうですね、お粥ですね」 
 小鳥は少し考えてから答えた。
「今は」
「お粥やな」
「それを頂きたいです」
「わかったわ、ほなお粥作るな」
 空汰は笑顔で応えた。
「今から」
「すいません」
「謝らんでええで、ここにおるんやし」 
 だからだというのだ。
「家族みたいなもんやし」
「だからですか」
「遠慮せんでな」
 それでというのだ。
「何でも注文したらええわ」
「それでは」
「ほなわい等もお粥にしよか」 
 空汰は他の面々の夕食のメニューも決めた。
「鶏肉あるしおかずは唐揚げやな」
「唐揚げですか」
「これが合うねん」
 空汰は護刃に笑って話した。
「脂っこいもんとあっさりしたもんでな」
「そうなんですね」
「そやからな」
「私達もお粥を食べて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「唐揚げもな」
「作ってですね」
「食べような」
「わかりました」
「神威、自分もどや」
 空汰は彼にも声をかけた。
「今日はお粥と唐揚げや」
「晩飯はだな」
「そこに野菜のお漬けものもあるで」
 おかずにはというのだ。
「それでどないや」
「頼む、じゃあ今夜もな」
「一緒に飲んで食べてな」
「楽しませてくれ」
「お安い御用や」
 空汰は笑顔で応えた、そうしてだった。
 小鳥も神威もお粥を食べた、神威は食べる時も彼女の傍にいた。そのうえでどちらを選ぶかも考えていた。


第二十五話   完


                  2023・4・23 
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