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X ーthe another storyー

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第二十五話 選択その十一

「何があってもな」
「そうするのですか」
「そしてだ」
 そのうえでとだ、神威はさらに話した。
「小鳥を助ける」
「それは運命なので」
「出来ないか」
「そうですが」
「運命は変える」
 神威は先程よりさらに強い声と顔で言葉を返した。
「そんなものはな」
「運命は絶対ですが」
「絶対のものがあるか、そもそも世界の運命も二つあるな」
「天の龍が勝った時と地の龍が勝った時と」
「二つある、ならだ」
「彼女もですか」
「運命を変えてだ」
 そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「助けますか」
「そうする」
 こう言うのだった。
「そして護る」
「そんなことが出来るとは」
 小鳥は断言する神威に言った。
「思えないです」
「しかしだ」
 それでもというのだ。
「俺はそうする」
「そうですか」
「絶対にな、だから選択もな」
「そうしますか」
「絶対にな」
 こう言うのだった。
「その選択もな」
「そうですか、では」
「それならだな」
「選択を待っています」
「その時になれば決める、俺は人間を護るとか地球を護るとかは考えていない」
 そうしたことはというのだ。
「あくまでだ」
「お二人のことをですね」
「考えている、だが空汰達もな」
 天の龍である彼等もというのだ。
「仲間と思っているし温かいともな」
「感じておられますか」
「仲間ともな」
「では天の龍に」
「はっきり言えない、だが小鳥を殺すことはしない」
 絶対にというのだった。
「それはだ」
「避けますね」
「そんなこと出来るものか」
 忌々し気な声での言葉だった。
「何があってもな」
「そのことはですね」
「絶対だ、その考えからな」
「選択をですね」
「する、その時が近くとも」
 それでもというのだ。
「俺は逃げない」
「選択に対して」
「絶対にな」
「逃げてもです」 
 そうしようとしてもとだ、丁は話した。 
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