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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第二話 にゃんぱいあその三

「それでなんですね」
「そうだな。スサノオにとって性別は意味のないものか」
 彼はあくまで人間を見ている。だからだというのだ。
「結局は」
「あくまで人間を見てですか」
「仕掛けてきているのだ」
「それで他の世界にも」
「仕掛け。そして見ている」
 一条の言葉はシビアなものになってきていた。
「俺達をだ」
「人間そのものを」
「世界征服もおそらくは退屈を紛らわせる為だった」
「あの牢獄に囚われたままだから」
「あの牢獄はだ」
 一条はスサノオが囚われている牢獄の話もした。
「そう出られるものではない」
「ツキヨミがその全てを賭けて築いたあれは」
「そうだ。出られはしない」
 神であるスサノオを以てしうても。それは非常に困難であるのだ。
「だからこそ今もあの場所にいる」
「その中で何もすることができなくて」
「ああして仕掛けているのだ」
 人間に対して。そうしているというのだ。
「それがスサノオだ。奴は飽きるまでそうするだろう」
「厄介な話ですね」
「厄介だ。だが」
「だが?」
「人間自体がそうなのだろう」
 一条はさらに考える顔になり右手に手を当ててだ。
 そうしてだ。こう五代に話したのだった。
「人間は常に試練が前にありだ」
「それを乗り越えるものなんですね」
「そうだ」
 まさにだ。その通りだというのだ。
「だからだ。我々はだ」
「スサノオを憎んだら目が曇りますよね」
「スサノオの出して来る罠を乗り越えていく」
 そうするというのだ。憎しみを抱かずだ。
「永遠にだ」
「仮面ライダーは死ぬことができませんし」
 もっと具体的に言えば死のうが何度でも蘇る。黒衣の青年なりスマートレディがそうするのだ。そしてスサノオもライダー達が永遠に死ぬことは望んでいないのだ。
 それがわかっているからだ。五代もだった。
 前を向いてだ。一条に話した。
「俺、戦うことは嫌いです」
「それでもだな」
「はい、罠には打ち勝ちます」
 そうするというのである。
「絶対に」
「そうだな。それではな」
「一条さんもですね」
「そうする」
 これが一条の言葉だった。
「あの時と同じ様にな」
「すいません」
「何、いい」
 戦うことはだ。いいと答える一条だった。
「あの時に全ては決まっていたからな」
「グロンギとの戦いの時にですか」
「そうだ。決まっていた」
 彼にしてもだ。そうだというのだ。
「共に戦うのはな」
「けれど一条さんは」
「俺は人間だ」
 仮面ライダーでなくともだ。それだというのだ。
「俺は人間だからな」
「それで、ですね」
「そうだ。戦う」
 また答える一条だった。
「仮面ライダーと共にな」
「そうしてくれるんですか」
「死ぬな」
 今度はこう五代に告げた。
 
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