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夢幻水滸伝

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第三百四話 二十州掌握その二

「もうな」
「やっぱりそうですね」
「そしてあいつとな」
「覇を競いますか」
「そのうえで統一されるわ」
「アメリカは」
「そうなるわ、東西戦争やな」
 こうもだ。メルヴィルは述べた。
「この世界では」
「我が国といえば南北ですね」
 ジェーンはその表情に複雑な感情を出して話した。
「南北戦争ですね」
「あの戦な」
「あの戦は何かとありました」
「ほんまな」
「アメリカの転換点の一つで」
 そうしてというのだ。
「犠牲も大きかったです」
「ああ、傷跡も深かった」
 多くの犠牲が出たがその中では北軍の海への進軍という容赦のない攻勢もあった、進路にある全ての産業を破壊し南部連合の国力を奪うという作戦だった。
「あの戦はな」
「そうでしたね」
「あんな戦はするもんやないわ」 
 メルヴィルは眉を顰めさせて語った。
「ほんまな」
「二度と」
「あれが内戦やな」
「内がボロボロになる」
「酷いもんや、それで起きた世界ではそれやったが」
「こっちの世界ではですね」
「東西や」
 こちらになるというのだ。
「そうなるわ」
「左様ですね」
「間違いなくな、そしてな」
「はい、その前にですね」
「五大湖の方をな」
「掌握しますね」
「そうなる、今連中は軍備を必死に整えてるが」
 戦が避けられないと確信してだ、彼等も愚かではないということだ。
「わし等はな」
「まずは南部の諸州を掌握しますね」
「それでその国力を手に入れてな」
「軍備も整えていますし」
「掌握し終えて」
 そしてというのだ。
「軍備を整えたらな」
「戦ですね」
「攻勢に出るで」 
 まさにというのだ。
「ええな」
「わかりました」
「そしてそれまで敵が攻めてきたら」
 五大湖の方がとだ、エミリーはこの話をした。
「その時はですね」
「防いでな」
「負い返しますね」
「そうやがこっちからは仕掛けん」
 決してというのだ。
「絶対にな」
「そうしますね」
「防いでな」 
 そしてというのだ。
「相手の勢力圏内にもや」
「入りませんね」
「これは浮島も同じや」
 領内、五大湖の勢力と国境を接するというのだ。
「絶対にな」
「こちらからは仕掛けずに」
「そしてや」
「敵が攻めて来ても追い返す」
「それに徹するで」
「わかりました」
 確かな声でだ、エミリーは応えた。 
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