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新オズのリンキティンク

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第七幕その一

                第七幕  街全体のお花見を
 秀吉さんはこの時四天王寺にいました、そこでお茶会を開いていましたがそこにリンキティンク王達を招いています。
 そしてお菓子を楽しみつつ言うのでした。
「いやはや心地よいのう」
「ここでお茶を飲むこともじゃな」
「うむ、この塔を観ながらじゃ」
 傍にある仏教の五重の塔を観つつ言います、皆お外で敷きものをしてその上に座って和風の傘がさされている中で楽しんでいます。
「飲む茶は絶品じゃ」
「そして菓子もじゃな」
「そうじゃ」
 その通りだというのです。
「まさにな」
「それは何よりじゃな」
「最高じゃ」
「あの、どうもです」 
 ボボ王子が言ってきました。皆それぞれがくつろぎやすい姿勢で座ってそのうえでお茶にお菓子を楽しんでいます。
「秀吉さんはお茶がおすきですね」
「茶道のな」
「信長さんもですが」
「うむ、殿にお仕えしておるとな」
「お茶がですか」
「好きになる、風情に和むものもあってな」
 それでというのです。
「殿の家臣であるとな」
「お茶がお好きになります」
「茶道のな」 
 言いつつそのお茶をごくりと飲みます。
「今では紅茶や中国茶も好きじゃがな」
「確か信長さんはお酒が飲めなくてね」
 カエルマンが言ってきました。
「それで甘いものがお好きで」
「左様、実は殿はな」
「甘党だったね」
「今もな」
 オズに国に来られてからもというのです。
「そうであるな」
「そうだね」
「殿は今では洋菓子もお好きでな」
 こちらもというのです。
「ケーキなぞもじゃ」
「召し上がられるんだ」
「左様、わしも好きであるぞ」
 秀吉さんは笑ってお話しました。
「大阪の食べものもでな」
「甘いお菓子もだね」
「そうなのじゃ」
「成程ね」
「あの、何かです」
 クッキーも言ってきました。
「秀吉さんは美食家だったそうですが」
「美味いものは好きじゃ」
「やっぱりそうですね」
「しかしな、一番好きなのは麦飯でじゃ」
 質素と言われるこのお食事でというのです。
「母上かねねが漬けてくれた漬けものじゃ」
「いつもこう言うんだよこの人」
 一緒にいるねねさんが笑って言ってきます。
「一番はね」
「麦飯とですか」
「お義母さんかあたしが漬けた漬けものだってね」
「そう言われるんですね」
「この二つが一番落ち着くわ」
 こうも言う秀吉さんでした。
「全く以てな」
「そうなんですね」
「色々食って飲んでな」
 秀吉さんはまた言いました。
「やはり最後はそれじゃ」
「ううん、それはわかるね」
 魔法使いはお二人のお話を聞いて頷きました。そうしてお茶菓子である宝石みたいに奇麗な和菓子を食べます。 
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