| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十四話 未来その十六

「決まってないよ、未来はね」
「未来と運命は違うんだ」
「そう、同じ様でね」
 それでいてというのだ。
「違うよ、未来は未だ来ていない」
「漢字ではそう書くね」
「未だ来ていない、つまりね」
「未だ何も決まっていない」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「そうなることもね」
「決まっていないんだ」
「そしてね」 
 そのうえでというのだ。
「私は信じているから」
「人間は滅びない」
「そして地球もね」
 その両方がというのだ。
「人間は地球を滅ぼす位悪いものじゃなくて」
「地球は人間に滅ぼされる位小さくはない」
「だからね」
 その両方があるからだというのだ。
「それでね」
「大丈夫だね」
「そうよ、それに天の龍も地の龍も力があるだけじゃなくて」
 それに加えてというのだ。
「確かな人達だから」
「そのことからも大丈夫なんだね」
「力があって確かな心があったら」
 それならというのだ。
「大丈夫よ。皆寂しくないしね」
「悪いことをする人は寂しい人」
「神威ちゃんが言われたことだけれど」
 このことも知っていて話すのだった。
「星ちゃんも皆と会えばね」
「寂しくなくなる」
「だから大丈夫だよ、きっとね」
「未来はいいものになるんだ」
「今の人達だとね」
「そうなればいいね、けれど僕は」
 牙暁は悲しい顔んあってまた言った。
「どうしてもね」
「まだ信じられないね」
「北斗がそう言ってもね」
 それでもというのだ。
「信じたいけれど」
「信じるって言わないから」
 北斗もそれはないと返した。
「ただね」
「それでもなんだ」
「そう、見ていこう」
「これからのことを」
「そうしたらわかるよ、未来は何も決まってなくて」
 それでというのだ。
「今の皆だとね」
「悪いことにならない」
「そうよ、きっといいものにね」
 そういったものにというのだ。
「なるから」
「それじゃあ」
「うん、見ていこう。神威君達もね」
「間もなく行われる選択と」
「その後で起こることをね」
「それではね」 
 牙暁は北斗の言葉に頷いた、だが信じたくとも信じられないでいた。そのうえで神威の選択を見るのだった。


第二十四話   完


                 2023・4・15 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧