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X ーthe another storyー

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第二十四話 未来その十三

「そのうえでね」
「そうよね、だからね」
 それでというのだ。
「私もね」
「最後までだね」
「観て」
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「行くんだね」
「そうするわ」
「ではそれまでは」
「あっちから何を言われても」
 それでもというのだ。
「こっちにいるから」
「そうして見守って」
「それからよ」
「わかったよ、ではね」
「こうしてお話してくれるのね」
「それまでね。僕は君の友達だね」
 牙暁は北斗に微笑んで尋ねた。
「そうだね」
「だから今一緒にいるのよ」
 これが北斗の返事だった。
「私もね」
「そうだよね」
「だからね」
 それでというのだった。
「安心してね」
「君と出会えてよかった」
 牙暁は今度はこう言った。
「本当にね」
「そう言ってくれるのね」
「うん、ずっと眠っていて」
 それで起きている世界に行けずというのだ、牙暁は夢の世界にだけいる自分のその身のことか話した。
「夢の世界で出会える人はいても」
「その人が眠っている時だけね」
「起きている時間。大抵お昼はね」
「そうした人達とも出会えないで」
「僕はいつも眠っているから」
「この世界にいるわね」
「孤独を感じる時も多かったんだ、人は起きている時は孤独を感じることはあっても」
 それでもというのだ。
「眠れば違うね」
「眠れば夢の世界でね」
「誰かにも出会えて」
「それで孤独じゃないね」
「けれど夢の世界にいつもいると」
 そうであると、というのだ。
「誰かと一緒にいられる時間もね」
「限られるわね」
「そうなってね」
 そしてというのだ。
「どうしてもね」
「孤独を感じるわね」
「ずっといるとね」
「そうよね」
「半分は孤独だよ、けれどその半分が」
「凄く辛くて」
「僕は孤独が嫌いなんだ」
 やや俯いて話した。
「今もね」
「そこで私がいて」
「それでだよ」
 だからだというのだ。
「君がいてくれて」
「嬉しいのね」
「君を救えなかったけれど」
 このことをまた悔やんで言うのだった。
「けれどね」
「それでもなのね」
「本当にね」 
 北斗と友人でいつもこの世界にいられてというのだ。 
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