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転生!DRAGONBALL THE WORLD!!

作者:山葵。
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ナメック星編
  第十四話 ついに覚醒、伝説の戦士孫悟空!!

 
前書き
数週間空いてしまいました。ゆるして...

『!!!!!!!!』
アマプラでドラゴンボール全映画が見られるようになったぞ!!!
クウラ、メタルクウラ、ブロリー、ターレス、ボージャック、ヒルデガーンと名作たくさん!!スーパーもあるぞ!!絶対見てくれよな!! 

 
爆風が収まり、あたりは静寂に包まれた。

「...す...すげぇ...本当にフリーザをやっつけちまうなんて...」
クリリンが安堵と喜びの声を上げた。

「へへっ...サンキュー...バーダック!」
悟空はゆっくりと体を起こしその場に座った。

しかし声をかけられたバーダックはというと自分の握った拳を見つめていた。
見るとバーダックの髪色には金色は全くもって見られなくなっていた。

何かを思っていたのかバーダックはしばし考え事をしているようだったがしばらくすると何かを決心したように顔を上げた。

「フリーザも片付いたことだ。地球に帰るか。」
俺はみんなに問いかける。

すると慌てたような悟飯の声が聞こえてきた。
「ピッコロさん‼ピッコロさん‼しっかりして‼」

悟飯は瀕死になっているピッコロを揺さぶっていた。

「悟飯。大丈夫だ。ピッコロはまだ息がある。気を分け与えてあげりゃあ...よし、これで大丈夫だ。」
悟空はピッコロに気を与えてやった。
すると傷が少し治り、息も安定するようになった。

「悟飯、ピッコロを背負ってやってくれ。オラたちが乗ってきた宇宙船が近くにあるはずだ。」

「はい、わかりました!お父さん!」

「あ...ああ...」
クリリンが急におびえたような声を出し皆がまた“奴”が来たのかと息をのんだ。

「ブルマさんのこと忘れてた...なんて言おう...」

「ふぅ...なんだよクリリン...脅かすなよ~」

「はは...悪い‼」

「じゃあ途中でブルマのとこにもよって帰るか。」

「ああ、そうだな!」



























――――――しかし仮初の平穏も直ぐに打ち破られた。


俺の左側に一瞬紫色の光が見えたと思ったら、後ろで呻き声が聞こえた。
振り向くと悟飯の胸に光線で貫かれた跡が残っていた。

「「悟飯‼」」
悟空とバーダックが悟飯をかばうように移動し、光線の放たれた先に目を向ける。

「フフ..フフフフ....フリーザ⁉」
クリリンが絶望に満ちた声を上げ、再びその場は恐怖に陥る。

嗚呼、なんてしぶとい奴だろうか。
ここまで顔を見たくないと思ったことがあるだろうか。

「はぁ...はぁ...さすがの俺も...今のは...死ぬかと思った...」
「このフリーザが死にかけたんだぞ!!!!」

フリーザの顔は完全に怒りと憎悪に吞まれており、圧だけで動けなくなるような殺気が放たれていた。

フリーザが右手を前に出した。
その手はクリリンの方を差し、ゆっくりと腕を上げていく。
その腕にまるで連動するようにクリリンが慌てふためかせながらゆっくりと宙に浮かび上がる。

正直覚悟はしていたが、この“世界”に来て、仲間の死をその場で見るのは流石に苦しかった。でも、現実は残酷で容赦なく悪は人を殺める。まるで朝食にパンを食べるように。

それでも目を背けたかった。今すぐに助けたかった。だがそんなことをしたら皆殺しにされ全滅してしまうかもしれない。結末を知っていることをこんなにも恨んだことはなかった。

クリリンが10mほど浮かび上がる。悟空は悟飯をかばいながら冷や汗を出し叫ぶ。

「やめろーー!!フリーザ!!!!」

親友の声に反応するようにクリリンが声を上げる。

「悟空-----!!!!!」

フリーザが不敵な笑みを浮かべ手を握りしめた瞬間。クリリンは内側から膨張するようにして....爆発した。
ドゴン!!と爆発音を立て、煙を巻き上げた後、爆発した場所を見ると、

――――そこにクリリンの姿はなかった。


その場にいた悪の帝王以外の皆が戦慄する。
それは彼の一番の親友の悟空も例外ではなかった。

それだけではない、クリリンは一度...ドラゴンボールで蘇っているのだ。
だから...もう...クリリンは蘇れない。二度と彼に会えないのだ。


その時、悟空の何かが切れた。

親友を救えなかったことへの後悔、悲しみ。
息子を、そして親友も守れない不甲斐無さ。
そして...フリーザへの体の底から湧き上がる怒り。
段々とその顔は険しいものとなる。
「ウァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
悟空の何とも言えない怒りの叫びがナメック星にこだまする。

それらが悟空の体で渦を巻き、それに共鳴するように黒雲が雷光を落とす。
地が震え、海が割れ、火山が溶岩を吹き出し、状況は混沌と化していた。

その中で、その中心で、たった一人、怒りによって“戦士”が目覚めんとしていた。

いつの間にか、彼の髪は先ほどのバーダックと同じように金色に激しく点滅していた。目は白目を向き、髪は逆立っていた。

髪色はより完全なものへと変化を続け、叫びはより大きくなっていく。
「ダァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

白目だった悟空に碧色の瞳が戻ると同時に、髪色の点滅はなくなり、完全な金色の髪になっていた。

気のけたたましさからか、悟空の周りにはシュイン...シュイン...シュイン...シュイン...と音が鳴っていた。

悟空は振り向き驚くフリーザを冷徹に、そして確実に目に炎を燃やしながらにらみつける。

彼は成ったのだ、伝説の戦士、超サイヤ人に。

「何⁉」
フリーザはもう一度あの空想と思われていた伝説の戦士、しかもその完全体を目にし、驚愕していた。

「お....とう...さん...?」
悟飯は父親の気が急にでかくなったことでかすかに目を開けた。

「お前ら...早くこの場から離れろ‼オレの理性がちょっとでも残っているうちに‼」

彼が超サイヤ人になったことで俺達には50倍という大きな壁ができた。その差はとても大きく、俺たちが共に戦おうとしても足手まといになるのは明確だ。
ピッコロは悟飯を抱きかかえ、俺は悟空とは反対方向に踵を返した。
バーダックは悔しそうで、嬉しそうな顔をしながら、悟空に背を向けて呟いた。

「死ぬなよ....バカ息子....」

その言葉が聞こえたのか、聞こえていないのかは定かではないが、悟空はより気を高める。

(貴様もか....まったく親子そろって...‼)
フリーザはその場から立ち去ろうとしているワサビたちを眼中にとらえ、せめてでもあのサイヤ人とそのガキだけでも殺そうと、空を文字通り裂きそこから鋭利な気の斬撃を放つ。

(しまった‼)
フリーザに完全に背を向けていたので反応するのに遅れてしまった。
なんならその気の斬撃には高密度のエネルギーが入っており、フルパワーでも押し返せないような気であった。
俺たちが動揺していると、シュン...という音とともに目の前に、一人。悟空がかばうようにして立っていた。
悟空は気の斬撃を掴みフリーザに向けて投げ返す。
超サイヤ人になり、気性が荒くなってもそこだけは、変わらぬ孫悟空だった。
弱いものを助け、類稀な戦闘スキルをもち、そして....仲間を傷つける奴は絶対に許さない。

「悟飯やクリリンだけでなく....こいつらまで...」
悟空の怒りがよりでかくなる。

「ピッコロ、バーダック‼急ぐぞ‼」
俺たちは気を上げ、空を飛びその場を離れた。

悟空の金色の気は空を突き破りそうなほど高まった。

「オレは怒ったぞ!!!!フリーザーーーーーーーッ!!!!」
悟空は地をけりフリーザに向かって超スピードで迫る。

「調子にのるな...サイヤ人!!!!」
フリーザが迎え撃つように悟空の前に飛び出す。

両者は手を掴み合い、全力で敵を押し返そうとした。
お互いの気は高まり、溢れ出る気が漏れ、大爆発を引き起こした。
両者はその場からバックステップで距離を取り、お互いを睨む。

ラストバトル。超サイヤ人VS悪の帝王の決戦が幕を開けた。


悟空は今までの比にならないぐらいのスピードでフリーザに近づき勢いを乗せた右手でフリーザを殴り飛ばす。そのままフリーザの飛ばされる位置を予測し、悟空は体制を変え、頭を空中で下げ、両足を揃えタイミングよくフリーザを蹴り飛ばした。
まだ追撃は終わらない。悟空は一瞬でフリーザの上空を取り、蹴りで飛ばされてきたフリーザを膝蹴りで勢いを止め、ラッシュを浴びせる。
そのラッシュの中にも超サイヤ人になった影響が大きく出ており、一発の威力は大きく増し、さらにフリーザには残像までも見えていた。
悟空は右にフリーザを蹴り飛ばし、フリーザを上回る速度でフリーザの前に出て、回し蹴りでフリーザを薙ぎ払う。再びフリーザの前に立ち、フリーザの背中に渾身のアッパーを入れた。フリーザは痰を吐き、海老ぞりのような形になった。
悟空は残像とともにフリーザの上空に立ち、両手を組み合わせ、フリーザの突き出た腹にナックルハンマーを叩き込む。
ドゴン!!といった鈍い音とともにフリーザは地に叩きつけられた。

悟空は見下すようにフリーザを睨みつけ震えるように言った。
「罪のないものを次から次に殺しやがって...!ク..クリリンまで...!」

フリーザは息を荒くしながら答えた。
「偉そうなことを言いやがって...貴様らサイヤ人は罪のないものを殺さなかったとでも言うのか?」

悟空は無表情に、されど何かを思いながら答える。

「だから滅んだ...」
その淡々とした表情の中には、悲しみと哀れむ感情が見えていた。

「オレが滅ぼしたんだ。サイヤ人は何となく気に入らないんでね...」
フリーザは悪びれもなく言ってのける。その彼のした行動がこの先の未来を変えることも知らず。

「今度はオレがお前を滅ぼす。」
悟空は決意を表した。

再び戦闘が始まった。

今度はフリーザも超サイヤ人の力を身に染みて感じたようで80%の力を出し悟空に対抗する。

フリーザと悟空は空中で何度も猛攻を繰り広げる。
拳や蹴りを交える衝撃から、空中から気の爆発があたりで巻き起こる。
その風圧により、ナメック星全体が大きく、ずっしりと震えていた。

フリーザは悟空の猛攻の中でもしっかりと攻撃を見切り、躱し、受け止め、さらにカウンターを狙っていた。
フリーザは悟空の右側にずっと避けていた。悟空にはそれが不思議に感じたが、そんなことを考える暇もなく、フリーザに強打を続けていた。
不意に、いつもの癖で左腕を使った。いつもならこれは全く持って問題にならない。
だが、今の悟空では違った。
悟空は左腕をフリーザに突き出すが、急な痛みに顔をしかめた。
そのせいで腕にあまり力が入らず、フリーザに隙を見せた。
フリーザはそのチャンスを虎視眈々と狙っており、ニヤァ...と笑みを浮かべ、悟空の左腕の付け根を殴る。悟空は痛みに悶えるが、追撃は逃れようと、迫りくる攻撃を躱し、何とか距離を保った。

フリーザは余裕そうに悟空に声をかける。
「どうだい?サイヤ人。左腕の傷はもう治ったのかい?」

悟空はつい、自分が受けた傷のことを忘れてしまっていた。
それは超サイヤ人になったことによる高揚感からか、はたまた命を懸けた戦いにアドレナリンを脳が大量に放出していて気付かなかったのか、どちらにせよ、致命的な傷には変わりなかった。

「この程度...貴様を殺すにはいいハンデだ...」
悟空は余裕を見せようとするが、その顔には苦しみの感情がわずかに漏れていた。
悪はその感情を見抜くのが上手い。フリーザはそんな悟空を見ながら不敵に笑っていた。

悟空は離れたところから両手で気を放つ。
連続エネルギー弾。休む暇もなく放たれる気弾にフリーザは腕を交差させ、身を守ることで対処した。しかし、気づいた時には悟空も気弾もなくなっており、ただ一つ、後ろからの衝撃が身を襲った。

悟空はフリーザを背後から両手で掴み、グルングルンとぶん回し、遠心力を使い投げ飛ばす。フリーザはきりもみ状態で空を飛ばされ、地面に激突する。

「この....虫けらがっ!!」

フリーザは指先からデスビームを何度も放った。
だがそれらは全て、全くその場から動かずして躱された。

フリーザは忌々しく声を上げる。
「おのれぇ....当たりさえすれば...」

悟空はその言葉に口を開く。
「あててみろよ。」

フリーザは一瞬彼が何を言ったのか、それは正気で言ったのか分からなかった。
しかし、一旦冷静になると再び怒りの炎がフリーザを動かした。
サイヤ人になめられた事が何よりも許せなく屈辱的だった。

「なにを...!?ふざけやがって...後悔しやがれーーーー!!!!!」
フリーザは怒りを込め、指先から全力の光線を放った。
悟空はそれを避ける素振りさえしなかった。

その光線は悟空の顎を捉え反動で悟空の頭が後ろに持っていかれた。
だが、悟空はゆっくりと顔を戻し口から滴った血を拭うとフリーザを挑発するように言った。

「星は壊せても.....たった1人の人間は壊せない様だな......」

フリーザは目の前で起こった現象を理解しがたく、つい声に出してしまった。

「貴様...何者だ...」

悟空は驚愕するフリーザを見て不敵な笑みを浮かべていった。

「とっくにご存じなんだろ?」

悟空は続ける。

「オレは地球から貴様を倒すためにやってきたサイヤ人.....。
 穏やかな心を持ちながら、激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士.....」


「超サイヤ人孫悟空だ!!!!!!!」
悟空の叫びとともに全身からより一層、金色のオーラが放たれる。

フリーザは冷や汗を流しながら、思考を整理する。
伝説と思われていた自分を脅かす存在が目の前にいることをフリーザの脳みそは信じられなかった。だが目の前に起こっている現象を受け入れんと、何とかフリーザは言葉を紡いだ。

「や...やはりな...どうやら本当に超サイヤ人らしいな...ふっ...ふっふっふ...」

「穏やかの心か...通りで他のサイヤ人どもがなれなかったはずだ...」

フリーザは何とか冷静を保とうとするがあふれ出る怒りと恨みがそれを上回る。

「ちくしょーーーーー!!!ちっくしょーーーーーーーっ!!!!」

感情を爆発させて吠えるフリーザに悟空は冷徹に

「終わりだ....フリーザ!!」と言った。

フリーザは暫く怒りで吠えていたが、落ち着いたのか、普段の口調を取り戻して言った。

「言っておくが...オレは貴様に殺されるぐらいなら自ら死を選ぶぞ.....」
フリーザは狂ったように笑い悟空を睨む。

そんなフリーザの言葉に呆れたのか、何とも言えない冷めた目でフリーザに
「スキにしろ...」、といった。

だがフリーザの作戦は悟空の思っていなかったことをしようとしていた。

「だが、オレは死なん。死ぬのは...貴様だ。オレは宇宙空間でも生き残れるが...貴様らサイヤ人はどうだ?」

「⁉」悟空はやっとフリーザの考えを理解したが、もう遅い。

「この星を消す!!!!」
フリーザは両手を胸の前で合わせ、その中心に黒色のエネルギーを蓄える。
悟空は阻止しようとフリーザに飛び掛かるが、既にフリーザはエネルギーを溜め終わり、両手を上に掲げ思いっきり特大エネルギー弾をしたに向けて放った。

「しまった...!!」
悟空は特大エネルギー弾の真下に行って受け止めようとするが、反応が遅れ飛んでも間に合わなかった。しかもあの威力だ。せっかく逃がした悟飯達もろとも死んでしまう。悟空は最悪の事態を避けるため全速力で飛ばすが、それでも追いつけない。
特大エネルギー弾はついにナメック星の地面に着弾した。


....はずなのだが爆発は起こらず、特大エネルギー弾はその場に硬直していた。
その光景に悟空だけではなく技を放ったフリーザまでもが驚いていた。

初めに何が起こったのかを理解できたのは悟空だった。

「お前ら!地球にもどったんじゃなかったのか⁉」
特大エネルギー弾の下で爆発が起こらないように食い止めていたのはさっき逃がしたはずのワサビとバーダックであった。

「てめぇ一人残して帰ることが...できっかよ!!」

「そういうことだ!!」
バーダックとワサビは冷や汗をかきながら何とか食い止めれている。

やっと状況を理解できたフリーザは一気にサイヤ人を始末できるチャンスだと、追い打ちをかけるように気を送った。

「ぐ...だあーーーーーーーっ!!」
俺たちはなんとか踏ん張ろうとするが、消耗した状態でほぼMAXパワーにフリーザの気を押し返すのは苦しく、徐々に押されてしまう。

「この星もろとも....消し去ってくれるわ!!」
フリーザは勝利を確信したようにより力を込める。
俺は今最大限できる10倍界王拳を使うが、まったくもって押し返せる気がしなかった。

界王の星でも、Z戦士と界王がこの状況を見てせめて今だけでも助太刀に行けたらと悔しく思った。

だけど、希望は失われてはいなかった。
この状況でたった一人、孫悟空だけは動ける。
悟空は急速にフリーザへと近づき全身でタックルを入れる。
そのおかげでフリーザのダメ押しがなくなり、押し返すのが少し楽になったように感じた。
『今しかない。』
そう思った俺たちは声をかけずとも気を上げていく。
孫悟空さえ生きていれば、俺たちはもはやどうでもいい。
ここを凌げば、希望が俺たちを照らしてくれる。
その一心で最後の力を振り絞る。
「界王拳....15倍だぁーーーーーーっ!!!!」
肉が今までにないぐらいの音を立て、筋肉がちぎれていくのが考えずとも理解できた。死がましに思えるほどの痛みが俺を襲うが、それでも力を振り絞り気を高める。

「ハァーーーーーーーッ!!!!」
俺たちの全気力を使った力に特大エネルギー弾は行き先を変え徐々に空中へと押されていく。それを感じ取った俺らはもっと気を上げる。
もう力はあげれないだろう。そんな気がした。だから腕を曲げ最後のチャンスにすがり気を集中させる。きっとバーダックもそうしていただろう。

「バカな....なぜ貴様らにそこまでの力が...」
フリーザは決して小さくないダメージに苦しみながら言った。

その時、後ろからバカでかい気を感じた。だがそれは恐ろしくもなんともなく逆に安心感が与えられた。

「か...め...は...め...」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえてくる。

「一気に行くぞ!!!!」

「波ァ-----!!!!」 「「ダァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」」

3人によるフルパワーの気によって特大エネルギー弾は押し返され、空中で爆発した。

俺とバーダックはもはや体のどこも動かせないような状態になり、力なく前に倒れた。

「ぜぇ...はぁ...何故だ...この僕が...サイヤ人なんかに...」
フリーザは今の特大エネルギー弾で大幅に気力を使い気が減少していた。

「何故だ...何故だ何故だ...何故だぁ!!!!」
宇宙の帝王のプライド、それがぐちゃぐちゃに踏みにじられたフリーザは誰でもわかるほどに怒り狂っていた。

「どうせ貴様らも今ので力を使い果たしたんだ。それに...残念だったな。
別にあれを止めれたからと言って...この星を消せる力ぐらいはまだ余裕で残っている!!!!キェェェェェィ!!!!」

フリーザは地面に向かってデスビームを放った。
それは地面を深く深く貫き、この星の核まで届いた。

「は..フハハハハハ!今のでこの星の核を破壊した。10分後には...この星も貴様らも...宇宙のチリとかす。」

フリーザはあざ笑うかのように悟空を煽るが悟空は冷静に告げた。
だが悟空は慌てる様子もなくフリーザに告げる。

「10分もありゃ十分だ。貴様を倒し仲間とともにこの星を脱出する。」

「そうか...だが、一匹残らず逃がしては帰さんぞ!!」
フリーザの目線の先には力を使い果たし突っ伏せているワサビとバーダックの姿があった。

フリーザは止めを刺そうと指先に気をためた。悟空はそれを見て焦り庇おうと動くがその光線が放たれることはなかった。

「⁉...あれは...ドラゴンボール⁉」
フリーザが目にしたのは金色の光を発する巨大な筋骨隆々の緑竜だった。

フリーザは見るや否やその場所に向けてすぐさま空を飛び移動した。
悟空もそれを追いかけるように空を飛ぶが、そこに一つの声が聞こえた。

その声の主は界王だった。
(おい...悟空。聞こえるか?今地球のドラゴンボールでフリーザに殺されたものたちを生き返らせ、ナメック星のドラゴンボールでお前たち全員を地球に送ろうとしている。)

「界王様...その願い変えてくれ!!フリーザとこのオレを除いた全てを...に。」

(悟空...気持ちはわかるが..ここはひとまず...)

「今ここで決着を着けなければ、オレは一生あんたを恨む!!」

そこにもう一つ声が加わった。
(界王様..悟空...その中に俺とバーダックも入れてくれ...)

(なんじゃ⁉聞いておったのか⁉それにお前さんまで...)

「ワサビ...すまねぇが今のお前たちじゃ足手まといにしかならねぇ。地球に先に帰っててくれ。」
悟空はワサビにそう聞かせた。

その言葉はワサビにとってとても辛いものだったが、それでも食い下がらずもう一度頼む。

(頼む...俺たちも除いてくれ...足手まといにはならねぇ。)

「......オラも無理言ってるたちだ、界王様が決めてくれ。」

(わかった...もう何も言わん。お前らがそう望むのなら...必ず生きて帰るんだぞ。)

「ああ、それにしても随分知恵を絞ったな。界王様。」
悟空は今の会話で多少冷静さを取り戻したようで、迷いなくフリーザの後を追った。

だが遅かった。
ナメック星人のガキが何やら言っているのを遮ってフリーザが願いを口にした。

「このオレを不老不死にしろーーーーっ!!!!!!」

「しっ、しまったーーっ!!」
流石の超サイヤ人でも相手が不老不死であれば敗北することは確実だ。
それが今最悪の敵に渡ったことを悟空は強く後悔した。

そんななかでも慌てずにナメック星人の子供は独自の言語を言った。
「ポッポルンガ、フリーザ、ピポット、ソンゴクウ、ワサビ、バーダック、プピリット、ロンロンパ、パピッポ、パロ!!」

「いいだろう、了解した。」
ポルンガは願いを聞き入れ話し始める。

「では、ここにいる二人と、数人のサイヤ人を除く全員を地球に移動させる。」

ポルンガの答えを聞きフリーザは怒りを抱き、悟空は安心感を覚えた。

その瞬間、目の前にいたナメック星人の子供から白い光が放たれ消えた。
それと同時にこの星にいたものの気が読めなくなり、この星にいるのはたった四人のみになったことを理解した。
最後にナメック星のドラゴンボールも光だし、天高く飛び上がると空へ消えた。


「どうやらここの言葉で言わないと願いはかなわなかったようだな....」

「...。どうしてもこのフリーザと勝負の決着をつけたいらしいな。」

「こうなったら見せてやるぞ...!このフリーザの100%のパワーを!!!」
そう言うなりフリーザは全身に力を入れ始める。

今は確実に敵をしとめるチャンスなのだろうが、悟空は一切手出しをしない。

「まったく..サイヤ人は馬鹿な奴だ....自ら殺されに行くとは...!!」
フリーザは変身する間にも減らず口を叩く。

「そんなことしゃべってる暇があればさっさと変身しろ!!!こっちには時間がねぇんだ!」

「ふん...安心しろ、オレが勝つのに時間を稼ぐ必要はないからな。」
フリーザは心の底から自信たっぷりに悟空を挑発する。

「85%.....90%....95%.....」
どんどんとフリーザの気が膨れ上がる。それに伴いフリーザの筋肉も膨張していった。

「これが...お待ちかねのフルパワーだ!!!!!」
ついに悪の帝王はその力全てを以てして超サイヤ人とぶつかることになった。

微かな陸地と溶岩の熱気に包まれた空中で2人は拳を交える。
流石はフルパワーと言ったところか、今までは優勢に立っていた悟空も苦戦を強いられるようになった。

フリーザは悟空に向けて紫色の気弾と超能力で瓦礫を乱射した。
悟空はそれらを回避しようと空を飛ぶ。
だが巧みに操り全方向から迫ってくる攻撃に回避のみで凌ぐことは不可能と考えた悟空は咄嗟に向きを変えフリーザに向かって直進した。
フリーザは操る気弾や瓦礫を当てようと行動したのだろうと考えると、悟空を追撃しようと目から気を放つ。しかしフリーザの読みが外れ悟空は気が当たる前にはるか上空に躱した。その気は悟空を捉えることなく後ろから迫る気や瓦礫を相殺したのであった。フリーザが上空に視線を向けると両手を構え気を溜める悟空の姿があった。
「かめはめ波!!」一瞬の隙をついたノンモーションかめはめ波にフリーザはなすすべなくもろに食らってしまう。
それでもまだフリーザはくたばらないと思った悟空は気を爆発的に開放し両手を突き出し猛スピードでフリーザに突撃した。だがフリーザもバリアを張ることでダメージを受け流そうとした。それでも悟空は突き進み、フリーザを押しながら岩盤を何枚も突き破りながらドンドンとスピードを飛ばしていく。その衝撃に耐えられなくなっていったバリアは段々とひび割れがはいっていった。
これ以上耐えることはできないと判断したフリーザはバリアを自らの気の爆風で破壊すると同時に、その衝撃で僅かに足を止めた悟空の背後を一瞬でとり、
「今度は死ぬかもね!」と右腕を振るったことに爆風で薙ぎ払い更に気攻波を放ち悟空を確実に仕留めに行った。悟空はその気攻波を躱すことができずまともにくらい辺りには大爆発がおこった。そんな状況を見てフリーザは勝利を確信したように

「どうだっ!!! ざまーみろ!!! 貴様ごときがこのフリーザに勝てるわけがなかったんだ!!!! はっは――っ!!!」と高笑いをした。

だがしかし次にはフリーザは再び怒りの表情を露わにすることになる。
悟空は鬱陶しそうに身体に積もった岩をのけ立ち上がった。
フリーザもいい加減鬱陶しくなってきたらしく
「このしつこいくたばりぞこないめ...」といいある一言を言った。

「良いだろう。今度は木端微塵にしてやる。あの地球人のように!!」
その言葉が悟空の逆鱗に触れた。
髪が逆立ちまるで悟空の怒りの大きさを表現するように金色の気が放出される。

「あの地球人のように.....?...クリリンのことか...
 クリリンのことかーーーーっ!!!!!!」

悟空は怒りに身を任せフリーザに近づくと超高速の乱打を浴びせる。
だがそれはフリーザのカウンターによって止められた。
腹部を狙った強烈なカウンターに流石の超サイヤ人孫悟空も思いっきり吹っ飛ばされる。いや、超サイヤ人だったからこそ吹き飛ばされたともいえるだろう。

額から滴る血を拭った悟空はフリーザを睨みつけたがフリーザはそんなことお構いなしに...なんと笑い始めた。

「ふっふっふ...」
戦闘中に急に笑い出すフリーザに悟空は訝し気に聞いた。

「何がおかしい。」

「どうやら貴様はまだ気づいていないらしいな。」
フリーザはまるで勝ちを確信したように普段の余裕を取り戻していた。

「...もったいぶらずにさっさと言え。」

「いいだろう、教えてやる。その伝説の戦士と呼ばれた超サイヤ人にも弱点があるということにな。」
フリーザは続けた。

「その超サイヤ人は確かに戦闘力だけで言えばこの俺を上回っていただろう。
だが...今はどうだ?俺には貴様のパワーもスピードも減っているように見えるが?」

「それはお互い様じゃねぇか?」
確かに今までずっとほぼ休みなく戦っていたので疲れや疲労、さらには傷の癒えぬままで互いに体力は低下していた。

「俺もそうと思っていたさ、だがどうやら違うらしい。」

「俺は天才だった。泥臭い努力などはしてきたことはなかった。必要なかったからな。だからこそ気づけなかったんだろうな。この俺の潜在能力に。
このナメック星での戦いで何度か俺は向かってきたやつを蹴散らした。何度も最終形態になったりもした...そのおかげでこの形態に体が慣れたんだろう。その状態で貴様との死闘を繰り返し...戦うたびに今では力がみなぎるのを感じるよ。」

フリーザの言う通りにフリーザの邪悪な気は先ほどフルパワーになったときよりも大幅に上がっていた。

「孫悟空、今では君に感謝したいと思ってるよ。この僕の可能性を気づかせてくれたんだからね。今ならあの兄上にもそしてパパにも100%勝てそうだ。だから君は...せめて僕の手で殺してあげるよ!!」

フリーザの長話にも悟空は全く話さずただ冷徹に睨みつけているだけだった。
そんな態度にフリーザはしびれを切らした。

「まったく...超サイヤ人になると口数が減るのか?それとも...この俺におびえているのか?」

「貴様の話が長すぎて付き合ってられないだけだ。お前らはいちいち長いこと言わねぇと悪さもできないのか?」

「...どうやらサイヤ人の減らず口は死んでも治らなそうだな。」

そうしてお互いに気を静め地へと降り立った。

お互いがお互いを蹴り、殴り、周りから噴き出す火が肉弾戦をヒートアップさせ、轟音と衝撃が轟く。
後5分で崩壊するナメック星で二人は血を流し殴り合いながら激しい決闘を続けていた。


 
 

 
後書き
上手く切れずに長々となってしまいました...でも超サイヤ人はカッコいいからヨシ!!


・デスビームでナメック星の核を破壊
 あれはゼノバース2の奴をそのまま持ってきました。
 惑星ベジータって結構大きそうだけどそれをほっそい光線で破壊できるフリーザっ てやっぱ凄いよね。だからナメック星もいけるでしょ(゚∀゚)アヒャ
・フリーザの戦闘力について
 この小説独自の解釈なんですけどフリーザって物凄い潜在能力秘めてると思うんですよね。たった4か月で戦闘力1億2000万から超サイヤ人ブルー悟空に匹敵する力を手に入れるなんて、それで何が言いたいかというと本編でも書いたようにフリーザはナメック星での3回の戦闘+VS超サイヤ人で今までにないぐらい戦いを経験しました。
しかもその一つ一つが一瞬でも自分をピンチに追い詰めるものばかり。
実戦は一番の成長の場ですしそのおかげでフリーザは本編世界より大幅に強くなっています。詳しくは下の戦闘力一覧でどうぞ↓

戦闘力一覧
悟空 通常:300万→超サイヤ人:1億5000万→左手及び体力の低下:9000万
フリーザ フルパワー:1億2000万→体力の低下:8000万→
戦闘中のパワーアップ:2億5000万
ワサビ 15倍界王拳:4500万
バーダック:340万

今回の小説で自分は第三者視点の小説の書き方が苦手なんだなって思いました(笑)
頑張って修行していきます!!

どうも、投稿者でございます。(`・ωメ)
この度私はこの夏休みに入るという瀬戸際にドラゴンボールZカカロットを購入しました。このゲームにとてものめりこんでしまい、小説を書けるような状況ではありません。只今一生懸命スイッチをプレイしているのでもうしばらくお時間を...
ストーリークリアまでお待ちください!!!夏まで..夏までには...
Door⁉(;゚Дメ) (殴
 
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