ヘタリア学園
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第千二百話 友達はそれぞれ
第千二百話 友達はそれぞれ
リトアニアはいつもポーランドと一緒にいます。二人の絆の深さについてはもう言うまでもありません。誰もが認めるパートナー同士です。
エストニアも最近ではフィンランドという新しく、かつ頼りになるパートナーができました。二人の関係もかなり良好なものになっています。
こうしてバルト三国のうちの二国はお友達と仲良くやっています。けれどラトビアは。
「誰かいませんか?」
その小さな身体で一人言っています。
「誰か。僕のお友達になってくれる人いませんか?」
「私と誰かお友達になって下さい」
そしてウクライナもです。この人もお友達になってくれる人を探しています。
「ドイツさんとイタリア君みたいな関係になってくれる国ありませんか?」
「日本さんみたいに皆に囲まれているふうになりたいんですけれど」
二人共涙目で皆に言っています。
「ですからどうか」
「お友達になって下さい」
こう言いますが誰も手を挙げてはくれません。そのドイツとイタリアは二人仲良くですし日本は韓国と台湾がいつも一緒にいてそれで昨日はアメリカ、今日は中国、明日はタイとベトナム、続いて明後日はオーストラリアとあちこちの家を回っています。この人達と比べるとです。
「一人じゃ寂しいです」
「ですから誰かお友達になって下さい」
この人達の苦労はかなりのものです。とにかく誰かお友達がいるのはとても有り難いことです。それで二人は必死に探していますが。
「友達ってできねえ時には全然できねえんだよな」
そのお友達のなさで苦労したイギリスの言葉です。彼にとってはこの二人は自分の過去を見ているようなものなのでした。
第千二百話 完
2010・1・28
ページ上へ戻る