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夢幻水滸伝

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第三百三話 プエルトリコでの会談その三

 メルヴィルはプエルトリコのこれからの内政のことも考えていった、そしてニューヨークに戻れば仲間達とその話をしようと決意した。そのうえで。
 ビーチでアレンカールと会った、彼は気さくに右手を挙げて挨拶をしてきた。
「こっちの世界でははじめましてね」
「ああ、そやな」
 メルヴィルも右手を挙げて挨拶を返した。
「元気そうやな」
「見ての通りよ、それじゃあね」
「ああ、今から話をしよか」
「そうしましょう」
「ほなここでや」
 メルヴィルはさらに話した。
「もう会談の場はセットしてるし」
「青いお空と海を見ながらってことね」
「それで話をしよか」
「それではね」
「場所はホテルのな」
 丁度自分達の前にある白く高いそれを見て話した。
「一室や、そこでトロピカルドリンクを飲みながらな」
「そのうええなのね」
「話そか」
「いいわね、しかしあんたらしいわね」
「わしらしい?」
「お洒落なのがね」 
 メルヴィルに笑って話した。
「それがよ」
「わしらしいっていうんか」
「その恰好も」
 メルヴィルの西部劇のガンマンそのもののそれも見て言うのだった。
「それにホテルでお空と海を見つつね」
「そしてトロピカルドリンクか」
「それもっていうのがね」
 まさにというのだ。
「あんたらしいわ」
「そういうことか」
「ええ、そのお洒落に乗るわ」
 アレンカールは笑って言った。
「喜んでね、じゃあね」
「これからやな」
「ホテルの中でお話しましょう」
「そうしよな、科学と錬金術で冷房も効いてるし」
 氷を用いてだ、それをホテルの中の空気に満たさせてそのうえで冷房としているのである。尚クーラーはまだない。
「その中でや」
「お話ね」
「ああ、そうしよな」
「これからね」
 こうした話をしてだった。 
 二人はホテルの中に入った、そして握手をしてからだった。
 それぞれの席に向かい合って座った、そのうえでメルヴィルから言ってきた。
「話はこれまで使者から話してもらった通りや」
「中立条約ね」
「それを結びたい」
「こっちとしては今あんたとやり合うつもりはないわ」 
 アレンカールはにやりと笑って応えた。
「そしてそれはね」
「トウェインともやな」
「そうよ、こっちはこっちで忙しいのよ」
「中南米の統一やな」
「あとアフリカもね」
 こちらもというのだ。
「ちょっと興味があるのよ」
「何や、あっちともか」
「南大西洋を挟んでね」
 そうしてというのだ。
「あっちにもよ」
「興味があるか」
「そうなのよ」 
 こうメルヴィルに話した。
「そやからね」
「尚更か」
「今あんた達とはね」
「やり合うつもりはないか」
「何時かはお仲間になりたいけどね」
「そうか、拳を交えてやな」 
 メルヴィルは腕を組んでこの世界の『作法』から話した。この世界では一戦交えそこから絆を深めることも多いのだ。 
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