| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十三話 剣生その二

「身辺整理を全て整えて」
「こちらに来られたんでっか」
「そうだったのよ」
「そやったんですね」
「そして」
 時鼓は話をさらに続けた。
「実は姉さんは桃生紗鵺さんと友人同士だったのよ」
「えっ、母さんとですか」
「そうだったんですか」
「私もそうだったけれどクランプ学園に通っていてね」
 そしてというのだ。
「同じ学年で同じクラスにもなって」
「それで、ですか」
「お母さんとお友達同士だったんですか」
「そうだったのよ」
 封真と小鳥に話した。
「姉さんはそちらの気質はなかったけれど紗鵺さんはね」
 彼女はというと。
「姉さんを愛していてしかも私達の分家の人だったから」
「お力を」
「ええ、受け継いでいてね」
 そしてとだ、嵐に答えた。
「影贄のお仕事もね」
「されていたんですね」
「そうだったのよ」
「そうでしたか」
「そしてね」
「桃生家にですか」
「嫁いで」 
 そしてというのだ。
「このお家にいたのよ」
「あの、何かです」 
 護刃はここまで聞いて驚きを隠せない顔で言った。
「あまりにもです」
「お話がかしら」
「はい、物凄いつながりで」
「そうよ、物事はね」
「つながってるんですね」
「偶然に見えても」
 一見そうだがというのだ。
「実はね」
「偶然じゃないんですね」
「必然でね」
 それでというのだ。
「私達もね」
「必然の中におられるんですね」
「そうなのよ」 
 こう護刃に話した。
「そして今ね」
「その必然をですか」
「お話させてもらってるのよ」
「そうなんですね」
「そしてね」
 時鼓はさらに話した。
「今度は剣のことをお話するけれど」
「剣ですか」
「この神社にあった剣はどうして生まれたか」
「それは」
 封真はその話を聞くとだった、瞬時に顔を変えて言った。
「お願いですから」
「私もそうしたいのよ」
「お話したくないと」
「けれどね」
「お話されますか」
「そうさせてもらうわ」
 こう言うのだった。
「知るべき時でもあるから」
「小鳥も」
「確かに酷なことだけれど」
 時鼓もこのことは否定しなかった。
「けれどね」
「その時なのですね」
「ええ、だからこそ」
「そこまで言われてるのなら」
「運命ということもわかってくれるわね」
「はい」
 封真は強い顔と声で頷いて答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧