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妹のツテで来たオファー

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第二章

「作品には」
「そうよね、少しでも多くの人に観てもらいたいから」
「だからね」
「話題作りの一つとして」
「姉妹共演になったのよ、それでね」
 青江は笑ったままこうも言った。
「姉妹共演だからツーショットもね」
「撮られるのね」
「これ絶対に話題になるわよ」
「ああ、姉妹はじめてのツーショットね」
「しかもね」 
 妹はさらに言った。
「お姉ちゃんと私じゃね」
「身長差があるから」
「だからね」
「そのことでも話題になるのね」
「監督さん多分ね」 
「このこともあって」
「お姉ちゃんにオファー出したのよ」
 姉妹の身長差も知っていてというのだ。
「そうなのよ」
「成程ね、話題作りって大事だけれど」
 姉は妹の言葉を受けて腕を組んで言った、目の前のレモンティーはまだ手を付けていない。妹もホットミルクをそうしている。
「姉妹ってのもね」
「そうよ、ただね」
「ただ?」
「お姉ちゃんプロの声優さんじゃないから」
 このことも言うのだった。
「実は演技はね」
「期待されてないの」
「そのことはね」
「いや、私女優よ」
 モデルであってとだ、真由子は真面目な顔で反論した。
「だからね」
「いや、声優さんの演技ってね」
 妹も真面目な顔で答えた。
「またね」
「女優のそれとは違うの」
「役があって」
 そしてというのだ。
「それに声をあてるのは」
「ドラマのそれとは違うの」
「演じることは同じでも」
 それでもというのだ。
「またね」
「違うのね」
「お姉ちゃん女優としての評価悪くないけれど」
 それでもというのだ。
「またね」
「声優さんの演技は違うから」
「まして声優さんはじめてでしょ」
「やるのはね」
「だったら尚更ね」
「期待されてないのね、そういえばあんたって」
 青江にだ、真由子は言った。
「演技力言われてるわね」
「演技派ってね」
 青江自身も答えた。
「いい役も悪役も出来るって」
「色々やってるわね」
「沢山のアニメに出てね」
「そうよね」
「声優さんの演技をね」
 まさにそれをというのだ。 
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