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新オズのリンキティンク

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第四幕その十二

「どうもな」
「自分では出来ないね」
「笑い過ぎて動けなくなってしまうわ」
「お腹を抱えて位だからね」
「そうじゃ」
 まさにというのです。
「とてもな」
「それではね」
「出来ぬのう」
「けれどね」
 魔法使いはこうも言いました。
「いいことだよ」
「笑い上戸なのはか」
「オズの国一のね。何しろね」
「何しろ?」
「笑うとそれだけで気持ちがよくなって」
 そうなってというのです。
「健康にもなって幸せもね」
「来るからか」
「うん、笑う門にはだよ」
 まさにというのです。
「福来たるだからね」
「それでか」
「笑えるなら」
 それならというのです。
「もうそれだけでだよ」
「よいか」
「実際それで困ったと思ったことはあるから」
「ほっほっほ、ないぞ」
 こう答えるのでした。
「わしもな」
「そうだね」
「むしろいつも笑えてな」
「そうなっていてだね」
「嬉しいわ、ではわしが漫才や落語を自分で出来ないことは」
「それはそれでね」 
 台本を読んだだけで笑い転げてしまってというのです。
「いいよ」
「そうなのじゃな」
「うん、その時点で笑えたら」
「自分が出来ずともじゃな」
「いいんじゃないかな、笑ってもらうこともいいけれど」
「自分で笑ったらか」
「それはそれでね」
 まさにというのです。
「いいことだから」
「そうなのじゃな」
「うん、だからね」 
 それでというのだ。
「これからもだよ」
「笑っていけばよいか」
「台本を読んだりお話を考えるだけで」
 まさにそれだけでというのです。
「笑ってもね」
「そうか、ではわしはそっちにするぞ」
「ではね」
「私はーーです」
 チクタクは目を笑わせて言ってきました。
「漫才かーー落語をーーです」
「実際にだね」
「やってーーいきたいーーです」
「ではそうすればいいよ、兎角ね」
「その人でーーですーーね」
「楽しめばいいよ」
 お笑いをというのです。
「それぞれの楽しみ方でね」
「それーーでは」
「うん、それがお笑いだよ」
 魔法使いは笑顔でお話しました、そうして今目の前のエルフの女の人二人の漫才を観て楽しむのでした。 
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