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X ーthe another storyー

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第二十二話 姉妹その十二

「僕達は戦いが終わった時に」
「出来るだけね」
「残っていることですね」
「何度も言うけれど勝っても」
「死なないことですね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「一人にならないことよ」
「僕達は」
「戦いが終わってもね」
「孤独にはならないですね」
「ええ、本当に孤独はね」
 庚は俯き辛い顔で話した。
「地獄なのよ」
「そこまで言うのなら」
 颯姫はその庚に言った。
「孤独についてもね」
「考えてくれるのね」
「そうしていくわ」
 こう庚に述べた。
「これからね」
「そうしてね。貴女にいいことになるから」
「そう言うなら」
「是非ね」
「そうさせてもらうわ、しかし」
 庚はこうも言った。
「今思ったことだけれど」
「どうしたのかしら」
「私は幸せね」
「孤独でないから」
「いつも姉さんばかり見られていたけれど」
 それでもというのだ。
「私はこうしていつも誰かがいてくれているから」
「幸せなのね」
「そうよ、孤独どころか」
 そうでなくというのだ。
「むしろね」
「賑やかかしら」
「そうなっているから」
 だからだというのだ。
「本当にね」
「幸せなのね」
「それならこれからもね」
 庚はさらに話した。
「貴方達とね」
「一緒にいたいのね」
「そう思うわ、あと三人の地の龍とも」
 まだ来ていない彼等ともというのだ。
「そうしたいわ」
「そうなのね」
「ずっとね」 
「幸せでいたいから」
「一緒にね」
「それはいいですね、この顔触れには親しみがあります」
 遊人は庚の話に賛成してにこりと笑って述べた。
「それではです」
「これからもなのね」
「一緒にいましょう、お茶やお酒を楽しみ」
 そしてというのだ。
「この世界が滅びるまでにしても」
「この世界をなのね」
「楽しみましょう」
「そうすれば孤独でないのね」
「そうよ、孤独がどれだけ辛いか」
 庚はまた一瞬だが顔を顰めさせて話した。
「私にはわからないかもね」
「庚には?」
「ええ、私は子供の頃寂しいと思ったら」
 その時はというと。
「夢で姉さんが出たり牙暁もいてくれたから」
「それでなんだ」
「寂しいと思っても」
 哪吒に対して話した。 
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