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仮面ライダー剣 悲しみが終わる場所

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第二章

「だが睦月」
 そのうえで言う。
「また戦いになるな」
「はい」
 上條は彼のその言葉に頷く。彼等の顔は深刻なものを見ていた。

 またあの光の世界であった。そこに黒衣の青年とスマートレディがいる。二人はまた話し合っていた。
「次はいよいよ」
「モノリスですよね」
「はい、既に統制者は動いています」
 青年もスマートレディも宙に浮かんでいる。その中で彼等は何かについて話をしていた。
「ルール違反を処罰する為に」
「やっぱりあれはルール違反だったんですか」
「ええ」
 青年はスマートレディに対して頷く。
「本来考えられていなかったことですから」
「そういえばジョーカーはどうして」
「あれは彼が作ったものです」
 青年はジョーカーについて述べる。
「彼が。何の為かわかりませんが」
「その彼か人間が残る予定だったんですよね」
 スマートレディはふとそう言ってきた。
「そうなる筈が」
「ああなったのは統制者、彼の考えではありませんでした。それを正す為に今彼は動きはじめました」
「じゃあ剣崎君は」
「彼がその運命を変えたのですから」
 青年は語る。
「当然彼もまたやって来ます。今はアメリカにいますが」
「じゃあ私が行きます?」
「いえ、私が行きましょう」
 青年が名乗り出てきた。
「そして彼の闘争本能を抑え日本へ」
「わかりました。それじゃ私は乾君達に?」
「そうですね、彼等をお願いします」
「はい」
 彼等はまたしても何かを動かそうとしていた。オルフェノクとの戦いで全ては終わりではなかった。むしろそれは幕の一つに過ぎなかった。戦いはさらに続くのであった。

 その時剣崎一真はアメリカの砂漠を一人バイクで進んでいた。人を避け全てを捨てて。彼は一人己の中に宿る激しい闘争本能と戦っていた。そのまま一人先に進む。
 孤独であった。寂しく辛い。しかし彼はそれでも先に進む。まるで何かを振り切ろうとするかのように。
 その彼の前に一人の青年が現われた。静かにバイクの前に立つ。
「!?こんなところに人が」
「剣崎一真ですね」
 青年は彼にそう声をかけてきた。剣崎はバイクを止めてヘルメットを脱ぐ。そうして青年に問うた。やがてバイクから降り彼と対峙したのであった。
「俺を知っている」
「そう、仮面ライダー剣」
 彼はその名も知っていた。
「そしてもう一人のジョーカーでもありますね」
「どうしてそこまで」
「私は全てを知っているのです」
 青年は言う。
「貴方の心もまた」
「貴方が何者かは知らない」
 剣崎は彼に対して言う。
「しかし俺はもう人とは」
「いえ」
 だが青年は剣崎のその言葉に首を横に振る。
「貴方のその闘争本能はまず私が抑えましょう」
「俺の闘争本能を!?」
「そうです。さあ」
 右手を前に出し手の平を出す。そこから青い優しい光を放ちそれで彼を包み込んだ。すると彼の身体に何かが宿った。
「これでいいでしょう」
「何故俺のジョーカーとしての心を」
「貴方は言いました」
 青年は剣崎に語る。
「運命を変えてみせると。その時が来たのです」
「運命・・・・・・まさか」
「それを確かめるのは貴方自身」
 青年は語る。
「ですから今」
「どうすればいいんだ、俺は」
「日本に行くのです、そして闘争本能ではなく運命を変える為、全てを守る為に戦うのです」
「全てを」
「仲間を。大切なものを」
 青年はこう表現してきた。
「わかりましたね」
「・・・・・・わかった」
 剣崎も遂にその言葉に頷いた。
 
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