夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百九十九話 さらなる勢力拡大へその九
「今は攻めんが」
「兵を集めてですね」
ホーソーンが応えた。
「守りを固めて」
「そしてな」
「攻めさせへんですね」
「今こっちからは攻めへんが」
「的にも攻めさせない」
「そや、守りはガチガチに固めて」
そうしてというのだ。
「絶対にな」
「攻めさせへんですね」
「そのうえでな」
「南部に勢力を拡大させるのですね」
「そや、即ち今はな」
「五大湖を封じ込めるのですね」
「こっちの総力を用いてな」
そうしてというのだ。
「そうするで、今わし等は百万の兵を動員出来るが」
「その百万の兵もですか」
「まずは二十万を五大湖との境に置いて」
ホーソーンに話した。
「相手を封じ込める」
「攻めても撃退出来る様にして」
「そしてな」
「残る八十万で、ですか」
「テネシー州掌握にもな」
「投入しますか」
「そうするで、兎に角今はな」
「テネシー州ですね」
「あの州をどれだけ素早く掌握するかがな」
このことがというのだ。
「わし等の戦略に大きく影響する」
「五大湖側が勢力拡大を考えても」
「その前にな」
まさにというのだ。
「その玄関口をな」
「先にこちらが掌握して」
「止めるんや」
「そうしますね」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「こちらはな」
「より勢力を拡大させる」
「そうするんや、戦は戦う前にある程度以上決まる」
メルヴィルはこの言葉を真剣な目で話した。
「それはな」
「戦略ですね」
「敵よりできるだけ有利な条件を整える」
「それが大事ですね」
「そや」
まさにというのだ。
「それを整えてな」
「そのうえで、ですね」
「あらためてな」
「戦うのですね」
「そや」
まさにというのだ。
「戦場でな、そしてな」
「出来ればその有利な条件をですね」
「敵に見せるんや」
「戦わっても勝てないとわからせる」
「戦わずして勝つや、ただな」
「わい等ですね」
ホーソーンは自分から言った。
「それでも意地がある」
「決死の覚悟でな」
劣勢だとわかったうえでというのだ。
ページ上へ戻る