X ーthe another storyー
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第十九話 友情その七
「知っていこうね」
「それじゃあ」
「これからも宜しくね」
「こちらこそね」
二人は最後は笑顔で別れた、それでだった。
牙暁はすぐに封真の夢の中を訪れた、そのうえで彼に言った。
「今日は貴方にお願いがあって来ました」
「俺にか」
「はい、若しもです」
畏まった態度での言葉だった。
「貴方が地の龍になっても」
「神威そして小鳥をか」
「殺さない様に」
「殺す筈がない」
こう答えたのだった。
「俺も神威もな」
「地の龍になっても」
「ああ、貴方はそれが心配で来たな」
「はい、彼も心配ですが」
「俺もか」
「そうです、僕は貴方が地の龍になるとです」
その様にというのだ。
「見ましたが」
「そうなると俺が小鳥を殺す」
「彼の目の前で」
「心を失ってだな」
「地の龍に相応しいものになり」
その心がというのだ。
「見ましたので」
「そうだな、しかしな」
「それはですね」
「俺は絶対にだ」
強く否定して言うのだった。
「その心もな」
「変えないですか」
「そうなるとわかっていたなら」
それならというのだ。
「心をな」
「抑えて」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「本来の心を保ったままな」
「地の龍になり」
「小鳥を殺さない」
「では彼女は」
「神威に預ける、そしてな」
「彼もですね」
「殺さない」
神威もというのだ。
「絶対にな」
「それが運命でも」
「運命は変わるんじゃないか」
牙暁を見てだ、封真は問うた。
「俺も最近はな」
「そう思っていますか」
「そうだ、だからな」
「小鳥も神威もな」
「殺さずに」
「戦いを終わらせたい」
「ですが」
「地の龍と天の龍はか」
また牙暁に応えた。
「互いにな」
「戦いそのうえで」
「地の龍が勝ったならな」
「人間を滅ぼして地球を救い」
「世界を護るな」
「そうしますので」
そう定められているからだとだ、牙暁は封真に述べた。
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