| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

博士の挑戦状

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十三話

                第四十三話  カツ丼
 今田先生はふと今日子先生に言った。
「そういえば最近カツ丼食べてないわね」
「というかね」
 今日子先生も応えた。
「私達どうもね」
「丼ものはね」
「和食はよく食べてね」
「あまり食べないわね」
「特にカツ丼はね」
「カツ丼ってね」
 今田先生は考える顔で応えた。
「男の人が食べるものってイメージあるわよね」
「カツは作っても」 
 それでもというのだ。
「丼にするのはね」
「ないわよね」
「カツカレーは食べても」
 作ってというのだ。
「けれどね」
「それはないわよね」
「それならです」
 ここで二人の使い魔達が言ってきた。
「今度作りますが」
「召し上がられますか」
「若しくは食べに行かれますか」
「そうされますか」
「あっ、別にいいわ」
 今田先生が答えた。
「私達はふと思っただけで」
「それで、ですか」
「召し上がられることはないですか」
「カツ丼は」
「そうですか」
「カツはね」
 この料理はというのだ。
「そのまま食べるか」
「カレーですね」
「ご主人様はそちらで召し上がられますね」
「カツ丼にはされず」
「そうされますね」
「カツ丼は男の人が食べるものって」
 どうしてもというのだ。
「イメージがあるから」
「それで、ですね」
「遠慮されますね」
「カツ丼は」
「そうするわ」
 こう言ってだった。
 今田先生も今日子先生もカツ丼を食べることはしなかった、普通のカツを作ってそのうえでワインを一緒に楽しんだのだった。


第四十三話   完


                    2023・3・10 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧