ラーメンという贅沢
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第一章
ラーメンという贅沢
太田浩二は建設現場で毎日汗をかきつつ働いている、そして彼は月に一度あるラーメン屋に行くことを楽しみにしていた。
「さて、給料入ったしな」
「今日行くんですね」
「ああ、あの店にな」
仕事が終わり更衣室で着替える時に後輩の浜口康介に言った、見れば太田は茶色のやや長い髪で少し反り返った鼻にきつい感じの目に分厚く大きな唇と日に焼けた肌を持っている。背は一七八位で逞しい身体をしている。
「行くぜ」
「先輩あのお店好きですね」
浜口はその話を受けて笑顔で言った、背は一七〇位で黒髪を後ろで束ねている。面長で小さな細い目と高い鼻を持っている痩せた男だ。
「毎月絶対に行きますね」
「高校時代から病みつきなんだよ」
太田は笑顔のまま応えた、作業服からラフな私服に着替える。
「それでな」
「毎月ですね」
「行ってるんだよ」
高校時代からというのだ。
「そうしてるんだよ」
「そうですか」
「だからな」
「今月もですね」
「行って来るぜ」
こう言って実際にだった。
太田はその店に行った、店はダークブラウンの色調で清潔でそれでいて風情がある今どきのラーメン屋である。
その店の黒い店の服とエプロンそれに帽子姿の店員からその店特製の超大盛ラーメンチャーシュと葱どっさり茹で卵も入ったそれをだ。
彼は満面の笑顔で食べた、そのうえでまた来月と思った。
彼は毎月給料が入るとその店でそのラーメンを食べた、そして次の日は爪に満面の笑顔で美味かったと会社で言うが。
その彼にだ、浜口はある日尋ねた。
「別に俺達の給料なら行こうと思えば結構」
「あのラーメン食えるか」
「ラーメンってそんなに高いものじゃないですからね」
浜口はこの現実を語った。
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