昔はとんでもない大女だった
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第二章
「かなり大きな」
「女の人だったわね」
「とんでもない位だって」
眉を顰めさせてこうも言った。
「言われていたかも知れないですね」
「そうかもね、今でも言われてるんでしょ」
「でかいとか大きいとか」
「それで気にしてるわね」
「はい、ですが昔だと」
「もう妖怪で大女っているけれど」
文字通りかなり大きな体格の女の妖怪だ、ただ悪いことをするという話はない。
「その扱いだったかもね」
「妖怪ですか」
「その頃だとね」
「ううん、今生きていてよかったです」
真紀子はしみじみと思った、そのうえで勉強を続けその夜弘樹の家である寺に行ってこのことを話すと彼も驚いた。
「じゃあ俺も昔だとか」
「妖怪扱いだったかもね」
「鬼とか言われてたか」
「鬼って大きいしね」
「じゃあ大谷翔平さんなんか凄かったな」
「あの人能力も違うからね」
真紀子はこのことも話した。
「妖怪というか神様みたいにね」
「言われてたか」
「そうかもね、いや今でよかったわ」
弘樹にも言うのだった。
「私の背でもね」
「そこまで大きいって言われなくてか」
「一七〇位でもね、まあ昔私が生きていたらそこまで大きくなるか」
「それはわからないな」
「食べてるものでね、私牛乳が好きで」
それでというのだ。
「この背になったみたいだけれど」
「俺は牛乳と何でも食ってラグビーしてたらな」
「そうなったわね」
「けれど昔は牛乳ないからな」
日本人は飲まなかったというのだ。
「ここまで大きくなったか」
「わからないわね」
「けれど今の背で昔の日本に行ったらな」
幕末のというのだ。
「確かにな」
「私とんでもない大女だったわね」
「そうだな、まあ昔と今は何かと違ってな」
「人の体格もなのね」
「そういうことだな、じゃあ京都への仕事な」
「頑張って来るわね」
「そうしてこいよ」
真紀子に笑顔で言った、そして真紀子は京都に仕事に行ったが。
昔の建物に入ると頭をぶつけそうにもなった、そしてあらためて昔の人の体格を思いこの頃の日本にいなくて体格の面ではいいと思ったのだった。
昔はとんでもない大女だった 完
2023・5・21
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