結婚式の予算

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第一章

　　　　　　　　　　　　　　　　結婚式の予算
　志勇弓子は今悩んでいた、大きな澄んだ目で小さなピンクの唇を持つ童顔でふわりとした黒髪を胸の高さで切っている。背は一五八位で胸は九〇近くある。
　その彼女が婚約者の高橋佐京明るい顔立ちで奥二重の目が印象的な一七五位の引き締まった身体つきの彼に同棲している部屋の中で言っていた。
「あれもこれもってなったら」
「お金がだね」
「かかって」
　それでというのだ。
「大変よ」
「結婚式はお金がかかるけれど」
「それでもだね」
「こんなにかかるなんて」
　弓子は高橋に言った。
「思わなかったな」
「そうだね、ウェディングドレスにタキシードに」
　高橋も言った、二人は今向かい合ってテーブルに座って話している。
「ケーキにブーケに」
「来てくれる人達のお食事にね」
「引き出ものもあるし」
「もうね」　
　それこそというのだ。
「お金がね」
「かかるわね」
「そうだね、しかしね」
「やっぱり一生に一度の晴れ舞台だから」
　それ故にとだ、弓子は切実な声で言った。
「いいものにね」
「したいね」
「そうだけれど」
「お金がね」
「かなりかかるわね」
「うん、どうしたものか」
　二人で結婚式のことをあれこれ話して共に頭を抱えていた、二人共貯金はあるがそれでもであった。

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