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仮面ライダーファイズ 小さな星の話

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第三十七章

「いけるか?」
「後はオルフェノクの王だけか」
「そうだ」
 乾は草加の言葉に答える。
「あと一人だ」
「じゃあ大丈夫だ」
 三原と同じく痩せ我慢をして言葉を返す。
「いけるぜ」
「よし、じゃあ行くぞ」
 また二人に声をかける。
「いいな」
「わかった」
「行くぞ」
 三人は一旦変身を解いた。そしてバイクに乗りさらに奥に向かう。
「乾君」
 木場は最後の戦いに向かう乾に声をかけてきた。彼も人間に戻っていた。
「何だ?」
「これで最後なんだね」
「とりあえずオルフェノクのはな」
「オルフェノクのは?」
「なあ木場」
 彼はここで木場に対して言ってきた。
「こんなにライダー出て来るなんて考えていたか?」
「いや」
 彼は今のライオトルーパーとライダー達の戦いをくぐり抜けてここまで来ていた。そこで彼等の戦いも見た。だからこそ乾の言葉に答えることができたのだ。
「アギトだけじゃないっていうのも」
「そうだよな。何かあるぜ、これは」
 乾は直感的にそれを悟っていた。
「この戦いだけじゃねえかも知れねえ」
 彼は言う。
「俺達の戦いは」
「そうかもな」
 それに草加が頷く。
「俺が生き返っているのも。少なくともスマートレディはそれを知っている」
「あいつがか」
「ああ」
 そのうえで三原に頷いく。
「王との戦いで最後とはならないだろうな」
「じゃあ他に何かいるのかい?」
 木場は不安な顔になっていた。それまでの戦いだけで終わりではないということに釈然としない思いも抱いたのだ。それは海堂と長田も同じであった。
「何だっちゅうんだ」
 海堂はそれを聞いて思わずぼやいた。
「まだあるのかよ」
「けれどだから私も」
「かもな」
 長田の言葉も否定できなかった。
「御前も生き返ってそのオーガか?ベルトまで貰ってな」
「スマートレディは何を考えているのかわからないところがある」
 木場は俯いた。彼女の行動はどうも謎が多いというのはこれまでも変わらないことが多いのだ。
「だから俺も」
「そうか。今は全然わかんねえってわけか」
 海堂は何かやりきれない気持ちになってまたぼやく。
「どちらにしろ王の後にどえらい敵がいるんだな」
「けれどだ」
 乾は言う。
「王を倒したら俺達オルフェノクは」
「そうだったな」
 それに草加も海堂も応えて頷く。
「灰になる。どういうことだ?」
「どっちにしろ行くしかないだろうな」
 三原はここで乾と草加に言う。
「答えはそれからだ」
「よし」
 二人は三原のその言葉に頷く。それぞれのバイクに乗り奥へと向かった。木場達はそれを見送る。オルフェノクとの戦いは今最後の幕が開いた。
 三人は遂にその奥にまで辿り着いた。辿り着くとそこにはあの王がいた。
「あいつがか」
 草加はその王が立っているところを見て乾に声をかける。
「そうだ。あいつだ」
「あいつこそがオルフェノクの王」
 乾だけでなく三原も応える。
「あいつを倒せばまず今までの戦いは終わる」
「少なくともオルフェノクは、か」
 草加はそれを聞いて呟く。
「まずは決着をつけるか、それで一旦は終わりだ」
「よし!」
 乾が声をあげる。三人は同時に携帯を出す。
 
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