仮面ライダーファイズ 小さな星の話
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第十三章
「いや、むしろギルスかな。何かオルフェノクに近いね」
「そうだな」
彼の言葉に乾が頷く。
「何でだ?急激な進化といい」
「多分アギト、ギルスとオルフェノクは似ている存在なんだ」
葦原が答える。
「ただ、創った者は違うな」
「黒衣の青年じゃないのか、あの」
「違いますね、おそらくは」
氷川が草加にそう返す。
「むしろ邪悪な意思を感じます」
「邪悪な意思」
それを聞いた乾、草加、三原の顔が強張る。対する三人の顔も同じものになっていた。彼等はそこに共通する何かを感じていたのだ。
「実はですね」
氷川は言う。
「アンノウンやオルフェノクに似た事件が他に起こっているのです」
「そうなのか!?いや、あれか」
三原はすぐに気付いた。
「あの未確認生命体か」
「はい、そうです」
三原に答える。
「それです」
「そういえば渋谷に隕石も落ちていたな」
草加はまた呟く。
「あと何か都市伝説で仮面ライダーか。色々あるかな」
「俺達もそこに混ざっているかも知れない」
葦原は呟く。
「若しかしてだけれどな」
「何か一つのものを感じないわけにはいかないのです」
氷川はまた言う。
「一つか」
「はい、その一つは何かまではわかりませんが」
「オルフェノクの王だけじゃない?」
草加が呟いた。
「で、そこにいるのは黒衣の青年やスマートレディと対立している」
「何だ、そいつは」
三原は眉を顰めさせて呟く。
「どんな奴なんだ」
「そこまではわからないがな。けれど」
津上は述べる。
「相当な力の持ち主だろうな。神みたいな」
「神、か」
草加はそれを聞いてふと口元にシニカルな笑みを浮かべて言ってきた。
「むしろ邪神、いや悪魔じゃないかな、それは」
「悪魔!?まさか」
乾はそれを否定しようとした。だが否定できなかった。
「いや、あのオルフェノクの王の後ろにいるとなると」
「そうだな。それだけの存在だ」
彼と共に王と戦った三原も言う。
「それは間違いない」
「だからです」
氷川がここで三人に声をかける。
「私達は貴方達と共に戦います」
「そしてオルフェノクの王を倒そう」
「協力させてもらう」
葦原と津上も述べた。乾がそれに応える。
「わかった。あいつが復活しているのなら」
乾が言う。
「一緒に倒そう。草加、三原、それでいいな」
「味方が多いに越したことはない」
草加の答えはこうであった。
「敵が強いならな」
「言葉は悪いがその通りだ」
三原も同じ考えだった。
「あんた達の協力を歓迎するよ。じゃあ」
「ああ、宜しく」
津上が挨拶をする。こうして彼等の協力体制が出来上がった。店の外はもう夜になっていてそこで帰ろうとする。だがその時だった。
「!?」
津上の携帯のベルが鳴った。着信を見ると啓太郎のものであった。彼は立ち上がろうとしたところで動きを止めて啓太郎に問うのであった。
「啓太郎、どうした?」
「たっ君、大変なんだよ!」
彼は電話に出るなりそう叫んできた。
「大変だって!?」
「うん、ラッキーグローバーが出て来たんだ。それも全員!」
「何!?」
「結花さんが今いて海堂さんも呼んだけれどとても無理だから。だから」
「わかった、すぐに行く。場所は?」
「川辺の道。すぐ来て」
「よし」
乾はそれに頷く。すぐに電話を切ってそこにいる面々に言った。
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