| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

犬も食べものに注意

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二章

「あとお肉よ」
「そうしたものか」
「まあお店で売っているソーセージとかハムをそのままなら」
 調理せずにというのだ。
「いいと思うわ」
「そうなんだな」
「それ位だとね」
「成程な、兎に角ラーメンは絶対に駄目だな」
「チャーシューもでね」
「特に葱はか」
「駄目よ」
「犬も食べるもの考えないと駄目なんだな」
 あらためてだ、洋介は言った。
「そうなんだな」
「人間と一緒よ」
「人間も食うもの大事だしな」
「栄養バランス考えないと駄目でしょ」
「ああ、さもないとな」
「身体壊すわね」
「身体に悪いもんばかり食ってたらな」
 俗にそう言われるものをというのだ。
「冗談抜きでな」
「身体悪くするでしょ」
「そうなるしな」
「ラーメンだってそればかりだとね」
「身体壊すしな」
 洋介が自分の職場の店でいつも作っているそれもというのだ。
「本当に塩分と脂肪がな」
「多いでしょ」
「だから本当にいつも食ってたら」
 そうしていると、というのだ。
「身体に悪いよ」
「そうでしょ、だから犬も人間もね」
「食うもの考えないと駄目か」
「そうよ、だからふわりにはね」
「これからも基本はドッグフードでか」
「調理していないお肉とかでね」 
「おやつもだよな」 
 洋介はこちらの話もした。
「犬用のものをあげるんだな」
「人間のお菓子じゃなくてね」
「わかったよ、じゃあそうしていくな」
「お願いね、食べるものがよかったら」
 母は息子にさらに話した。
「ふわりもずっと健康でいられるでしょ」
「そうだよな」
「だからね」
「気を付けるよ、俺も」
「そうしていってね」
「そうするな」
 母に約束した、そしてだった。
 洋介は今度はふわりに顔を向けて彼女に言った。
「飯食ったら散歩行こうな」
「ワンッ」
 ふわりは洋介の言葉に一声鳴いて応えた、そしてドッグフードをとても美味しそうに食べて皿の中のそれを平らげていった、そのうえで。
 洋介と共に散歩に行った、その時のふわりの動きは健康そのものだった。


犬も食べものに注意   完


                 2023・4・24 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧