幼稚園の先生と雪女
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第二章
彼はすっかり暗くなった中家に向かって帰っていた、電車から降りてそして歩いて自宅まで帰っていたが。
この時にだ、クラスで話したことを思い出してつい言った。
「こんな時間か?雪女出るのは」
「出るわよ」
この言葉と共にだった。
白い着物に銀髪の艶やかな外見の女が前に出た、そして彼に右手を振って言ってきた。
「ここにね」
「うわっ、本当に出て来た」
「呼ばれたからね」
笑顔での返事だった。
「出たわ」
「本当に暗くなったら出るんだな」
「いや、私本当は子供が好きでね」
「だから幼稚園の先生も言ってたのか」
「ああ、暗くなっても遊んでいたら雪女が出るって」
「そう聞いてたけど」
「そうよ、私が出てね」
そしてというのだ。
「一番だけ私のお家に連れて行くのよ」
「一晩かよ」
「何するかはね」
「いや、幼稚園児でも小学生でもかよ」
竜童は雪女が言わんとしていることを察して反論した。
「やばいだろ」
「それは人間の理でしょ」
「妖怪ならいいのかよ」
「子供がまたいいのよ」
「ショタなのかよ」
「女の子でもね」
「そっちもかよ、洒落になってないな」
流石にこれには引いた竜童だった。
「男の子でも小さい子はやばいっていうのに」
「日本は同性愛否定してないわよ」
「それでも幼女は駄目だろ」
「いやあ、一晩だけでちゃんと記憶も消すしね」
「そのうえで家に帰るのかよ」
「殺しはしないわよ、お互いに楽しむだけで」
「楽しんでも駄目だろ、というか雪女はショタでロリかよ」
竜童は現代の言葉で表現した。
「恐ろしいな」
「この地域の雪女つまり私はね」
「それで幼稚園の先生もそう言ってたんだな」
優子の話をまた思い出して言った。
「そうなんだな」
「何か取って食べるって話になってるみたいだけれどね」
「ある意味食ってるだろ」
「そういえばそうね」
雪女も笑って否定しなかった。
「言われてみれば」
「ったくよ、先生の言うこと聞いてよかったよ」
「楽しい思いするのに」
「子供だろ、子供が喜ぶか」
そんなことをしてもというのだ。
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