X ーthe another storyー
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第十三話 母親その七
「そしてです」
「今こうしてここにおられます」
「そうだったの、それでこの前皆と合流したのよ」
今ここにいる面々と、というのだ。
「そうしたのよ、私も自分が人間の世界を護るなんて信じられなかったけれど」
「それでもか」
「運命を受け入れて」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「やっていっているか」
「ええ」
そうだというのだ。
「今はね」
「そうなのか」
「後でよ」
まさにというのだ。
「そうしたものはついてくるのよ」
「天の龍や地の龍の自覚はな」
「あちらも同じだと思うわ」
火煉は神威に真面目な顔で述べた。
「地の龍の方もね」
「そうだと告げられてか」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「次第にね」
「自覚していっているか」
「皆ね、最初そうだと告げられて」
「それからか」
「今すぐに受け入れていなくて」
「徐々にか」
「その筈よ、だから貴方もね」
神威に顔を向けて話した。
「次第によ」
「自覚していくか」
「そうなるわ」
「それでいいか」
「そうよ、ただ貴方は」
神威を見たままこうも言った。
「やっぱり」
「ああ、小鳥とな」
「彼女のお兄さんのことね」
「まず二人だ」
絶対に、そうした口調の返事だった。
「俺にとってはな」
「そうね」
「あの二人は何があってもだ」
「護るわね」
「そうしたい」
「それが世界を護ることになればいいのではないでしょうか」
征一狼は語る神威に手振りを交えて話した。
「僕も根幹にあるものはそうですし」
「あんたもか」
「はい、家族がいまして」
それでというのだ。
「奥さんと娘がです」
「大事か」
「何といいましても」
それこそという返事だった。
「何があっても護りたいです」
「そう考えるからか」
「神威君と呼んでいいでしょうか」
「構わない」
呼び名はいいとした。
「別にな」
「そうですか、では神威君がです」
彼の言葉を受けてあらためて話した。
「お二人を護りたく」
「その為に戦われるなら」
「それならです」
「いいか」
「はい」
まさにというのだ。
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