ヘタリア大帝国
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TURN50 セーシェル星域にてその十一
「ナポレオンさんが撤退されてからでした」
「確か親衛隊とフランスさんが後詰になったんだったな」
「はい、そのうえでナポレオンさんと主力を戦場から離脱させました」
「そこから意地を見せるタイプか」
「どうも開き直られて」
実際に今のフランスの指揮には普段の気取りはない。必死の形相で自ら前線に立ち指示を出し続けている。
「ああした風にです」
「とことん戦うんだな」
「そういう方ですから」
「今下手に攻めるのはよくないな」
東郷は日本の話を聞き戦うフランスを見て言った。
「ここは突撃は仕掛けない」
「ではどうして攻められますか」
「遠距離からアウトレンジ攻撃に徹する」
確実性には欠けるが下手な損害は出さないというのだ。
「そうしよう」
「わかりました。それでは」
こうして太平洋軍は今は積極的に仕掛けずオフランス軍を撤退させた。フランスの決死の指揮もあり彼等は何とか戦場を離脱できた。
セーシェルの戦いは終わりセーシェル自身はマダガスカルに下がったが星域は太平洋軍のものになった。フランスは何とかマダガスカルに下がり出迎えてきたシャルロット達にこう言った。
「もう無理だな」
「これ以上の銭湯はですか」
「ああ、徹底的にやられたからな」
だからだというのだ。
「ここで太平洋軍が来てもな」
「戦いにはなりませんか」
「だから降伏するしかないんだよ」
フランスは苦い顔になっていたがそれでも言った。
「じゃあいいか?俺が日本と交渉にあたるからな」
「あの、それでは」
ここでシャルロットがフランスに言ってきた。
「私も」
「王女さんも?」
「同席、いえ」
それ以上にだというのだ。
「国家元首ですから」
「摂政だからな」
「はい、お願いします」
切実な顔での言葉だった。
「どうかここは」
「しかし。降伏ってのはな」
「屈辱だというのですね」
「俺は結構こういう経験あるけれどな」
これまでどちらかというと負けることの方がずっと多かったからだ。フランスは敗北には慣れている。
「何度経験しても辛いぜ」
「しかしです」
「それでもだっていうのかよ」
「はい、私は国家元首ですから」
オフランス代表として出てだというのだ。
「降伏の交渉にあたります」
「ビジーさんもいるぜ」
フランスは彼の名前も出した。
「総司令官だしな」
「ですが国家元首ではありませんね」
「まあそうだけれどな」
「それではです」
「本当にいいのかよ。降伏文書にサインしても」
「それが責任を取るということですね」
今度はこう言うシャルロットだった。
「そうですよね」
「まあいつも言ってることだけれどな」
フランスがシャルロットに教えていることだ。彼はシャルロットに対してそうしたことも教えているのである。
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