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八条学園騒動記

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第六百九十四話 連合から見たエウロパの食事その七

「あの国はね」
「駄目なのね」
「食べものもそうで」
 こちらもというのだ。
「もうね」
「味がなくて量が少ない」
「そんなものばかり気取って食べてるなんて」
「駄目ね」
「そうだよ、それでエウロパで一番悪いのは」
「ギルフォード総統ね」
「ブラウベルグも悪かったけれど」
 エウロパ建国の父とされる彼もというのだ。
「ギルフォード総統もね」
「悪い人ね」
「ブラウベルグ以上ではないと思うけれど」
「同じ位悪いのね」
「そうみたいだよ」 
 こうクララに話した。
「本当にね」
「しかし。平民の人を搾取して」
 今度はケイトが言ってきた。
「それで贅沢してるなんて」
「極悪非道だね」
「それがエウロパ貴族なのよね」
「そう、領民の人達を支配して」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「好き放題搾取して」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「ちょっとしたことで拷問とかもね」
「するのね」
「エウロパでは貴族は絶対者で」
 そうした立場でというのだ。
「領民の人達の上に君臨して」
「それでなの」
「そのうえでね」
 さらにというのだ。
「法律も裁判もね」
「思うままね」
「あそこは人治主義だから」 
 連合が考えるエウロパはそうした国であるのだ。
「そんなのも全部ね」
「貴族の思うままね」
「それでやりたい放題していてね」
「酷いことね」
「その頂点にいるのが」
「エウロパ総統で」
「ギルフォード総統なんだ」
 その彼だというのだ。
「だからね」
「極悪人なのね」
「もう極悪人の中のね」
 まさにというのだった。
「極悪人だよ」
「そんな悪人の食べるものなんて」
 ルーシーは眉を顰めさせて言った。
「絶対によ」
「食べたくないね」
「ええ、本当に」
「ただあの人イギリス人だから」
 ベンは言い切ったルーシーに話した。
「紅茶好きでね」
「ああ、そうなの」
「ミルクティーをね」
 この紅茶をというのだ。
「いつも飲んでるらしいよ」
「けれどエウロパのでしょ」
「そうだよ」
 ベンはその通りだと答えた。
「ミルクティーといってもね」
「じゃあいいわ」 
 ルーシーは笑顔で応えた。 
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