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博士の挑戦状

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第三十一話

             第三十一話  飲んだ後で
 小田切君はワインと魚介類を中心とした肴を楽しんでからだった、博士に真っ赤になった顔で話した。
「いや、もうです」
「堪能したのう」
「かなり」
「それは何よりじゃ、ではな」
「はい、ちょっと休んで」
「そうしてじゃな」
「今日は寝ます」
 こう博士に話した。
「そうします」
「それがよい、飲んだらじゃ」
「もう寝ることですね」
「酔い潰れる前にな」
「もうベッドに入って」
「寝ることじゃ、何もすることなくな」 
 そうしてというのだ。
「よいな」
「やっぱりそれが一番ですね」
「左様、それに今の小田切君はかなり酔っておる」
 真っ赤になった顔を見ての言葉だ。
「そうした時はな」
「寝てそれで翌朝ですね」
「二日酔いなら風呂に入ってな」
 そうもしてというのだ。
「すっきりすることじゃ」
「そうしていいですか」
「小田切君はこの研究所の職員じゃ」
 だからだとだ、博士は小田切君に自分は三本目を飲みつつ答えた。
「それならな」
「お風呂もいいですか」
「いつも言っておる通りにな」
 まさにというのだ。
「研究所の施設は何時でも何でもじゃ」
「使っていいんですね」
「ここにおればよいからな」
 それが小田切君の仕事だというのだ。
「よいな」
「わかりました、それでは」
「寝るのじゃ」
「僕の部屋で」
「用意してあるからな」 
 だからだというのだ。
「既にな」
「ではな」
「はい、今から着替えて寝ます」
「わしはもう一本飲むからな」
「そうされるんですね」
「それから歯を磨いて寝る」
「じゃあ僕も歯は磨いて」
 小田切君もこのことは忘れなかった、そうして実際に歯を磨いてパジャマに着替えて寝るのだった。


第三十一話   完


                 2023・1・27 
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